結婚式の留袖レンタル相場!母親の黒留袖を宅配で安く借りる
こんにちは。UNOWNED でレンタル・サブスクを調べているいつきです。
子どもの結婚式が決まって、最初に手が止まるのが母親の装いだと思います。留袖を着るのは何十年ぶり、あるいは初めて。そのうえ「どこで借りるといくらなのか」がまるで見当つかない、という状態からのスタートになりがちです。
調べ始めると、同じ黒留袖なのに1万円前後から20万円近くまで価格が散らばっていて、余計に迷います。この幅は品質だけの差ではありません。どこで借りるかと、着物代のほかに何を払うかで総額が決まる構造になっています。
この記事では、借りる場所ごとの相場を並べたうえで、宅配レンタルのセット内容・サイズ・家紋・着付けまで、支払いが発生する項目を全部たどりました。読み終えたときに、自分の場合の総額がいくらになるか計算できる状態を目指しています。
- 式場・専門店・宅配それぞれの留袖レンタル相場
- 母親が着る黒留袖と色留袖の使い分け
- 宅配のフルセットに含まれるものとサイズの見方
- 着付けや持ち込みで別にかかる費用と予約の段取り
留袖レンタルの相場は借りる場所で決まる

留袖のレンタル料を大きく左右するのは、どこで借りるかです。一般的な結婚式場で借りると2万〜6万円、ホテルなど格の高い会場の衣裳サロンなら3万〜10万円が目安で、着物専門店の店頭はその中間の3万〜9万円ほどです。これに対して、ネットで申し込んで自宅に届けてもらう宅配レンタルは1万〜5万円ほどで、上限のあたりは式場やホテルの金額の幅と重なっています。
式場やホテルが宅配より高めなのは、当日その場で着られて、着付けの手配もまとめられる便利さが料金に含まれているためで、金額だけで良し悪しは決まりません。ただし式場で借りる場合も、表示価格に草履やバッグまで入っているかは確かめておきたいところです。この章では、まず式場・ホテルと着物専門店の価格帯を確かめ、次に宅配レンタルの相場と、代表的な3社の公表価格(税込・執筆時点)を一覧で比べます。
式場とホテルは2万円から10万円
もっとも手間がかからないのが、式場やホテルの衣裳サロンで借りる方法です。きものレンタリエが公開している相場のまとめによると、一般的な結婚式場では2万円から6万円、ハイクラスのホテルや式場の衣裳サロンでは3万円から10万円くらいが目安とされています。高級な黒留袖を中心にそろえている式場だと、15万円から20万円前後という帯もあります。
この価格には理由があります。当日その場で着られること、着付けの手配が一本化されること、万一のときにすぐ交換が利くこと。移動と段取りの手間をまとめて外注できるぶんが、料金に含まれていると考えると納得しやすいはずです。
気をつけたいのは、表示価格に何が入っているかです。草履やバッグが別料金になっていて、あとから加算されるケースがあります。見積書をもらうときは「これで当日そのまま着られる金額ですか」と一言確認しておくと、後からの上振れを防げます。
着物専門のレンタルショップに実店舗で行く場合は、その中間で3万円から9万円くらい。帯・小物・草履・バッグまで一式そろった状態で提示されることが多い帯域です。実物を見て選べて、サイズ合わせも相談できるので、体型に不安がある場合はこのルートが現実的な選択肢になります。
なぜここまで幅が出るのか。式場やホテルの衣裳サロンは、会場の格に見合う品をそろえる必要があるうえ、在庫を会場ごとに抱えます。着付け室や専任スタッフを常時用意している場合、その固定費も価格に乗ります。一方で、当日の朝に会場内で完結する安心感は、ほかのルートでは買えません。金額だけを見て高いと決めつける必要はなく、何を買っているのかを分かったうえであなたが選べばいいという話です。
宅配レンタルは1万円前後から選べる
いちばん安く収まるのが、ネットで注文して自宅に届く宅配レンタルです。格安の店を探すなら、まずここから見ることになります。相場としては1万円から5万円ほどで、式場ルートの下限より安い水準から選べます。実店舗を持たず在庫を一か所に集約している構造上、同じ品質帯でも価格を抑えやすいという事情があります。
実際の価格を、代表的な3社の公表値で並べてみます。数字はいずれも税込で、記事執筆時点の公式ページに掲載されているものです。
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| 借りる場所 | 相場・価格帯 | 含まれるもの | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 一般的な式場 | 2万〜6万円 | 着物中心(草履・バッグは別料金の場合あり) | 当日の手間を最小にしたい |
| ハイクラスのホテル・式場 | 3万〜10万円 | 同上(高級品中心なら15万〜20万円前後も) | 会場の格に合わせたい |
| 着物専門レンタル店(実店舗) | 3万〜9万円 | 帯・小物・草履・バッグ一式 | 実物を見て選びたい |
| 宅配レンタルA社 | 12,800〜49,800円 | 20点フルセット・往復送料無料 | 総額を抑えたい |
| 宅配レンタルB社 | 17,600〜49,500円 | フルセット・往復送料無料・下見あり | 事前に現物を確かめたい |
| 宅配レンタルC社 | 9,800〜49,800円 | 16点フルセット・7号〜27号 | サイズの選択肢がほしい |
あなたに見てほしいのは、宅配の上限(約5万円)が式場やホテルの価格帯にそのまま食い込んでいることです。つまり宅配のいちばん良いものを選んでも、一般的な式場で借りる一着と同じか安く収まる。予算を抑えたいなら、宅配で上位グレードを選ぶという発想が現実的になります。
衣装の総額を項目ごとに積み上げて考える感覚は、成人式の振袖とまったく同じです。価格の内訳と別料金の出方については振袖レンタルの値段を総額で見た記事で細かく分解しているので、考え方の下敷きとして読んでおくと理解が早いと思います。
母親が着るのは五つ紋の黒留袖

料金を比べる前に、何を借りるのかを決めておきます。新郎新婦の母親という立場なら、選ぶのは既婚女性の第一礼装にあたる黒留袖で、紋はもっとも格の高い五つ紋です。色留袖も留袖の仲間ですが、こちらは親族以外の参列者や式典でも着られる、出番の広い装いです。立場に合わない一着を選ぶと、料金が手ごろでも当日の装いとして釣り合いません。
もうひとつ、レンタルならではの迷いどころが紋の扱いです。借りる黒留袖の紋は、店があらかじめ入れている通紋のままで差し支えないとされ、自分の家の紋を入れたいかどうかは家族の考えを確かめて決めます。この章では、黒留袖と色留袖の使い分けと、父親の装いを含めて両家で格をそろえる考え方を確かめたうえで、通紋の仕組みと、紋を指定したいときの貼り紋オプションの費用や締切を見ていきます。
黒留袖と色留袖の使い分け
黒留袖は既婚女性の第一礼装です。地色が黒で、紋は五つ紋のみ。新郎新婦の母親、祖母、既婚の伯母など、もっとも近しい親族として結婚式に参列する立場の装いになります。母親が着るなら、格のいちばん高い五つ紋の黒留袖というのが基本線です。
一方の色留袖は、黒以外の色地の留袖で、既婚か未婚かを問わず着られます。紋の数も一つ紋・三つ紋・五つ紋から選べるのが特徴です。親族以外の一般ゲスト、新郎新婦の姉妹、各種の式典など、着られる場面は黒留袖より広くなります。
迷いやすいのが、新婦の姉妹や姪の立場です。既婚であっても、母親より格が上に見えてしまう装いは避けるのが通例なので、この場合は色留袖や訪問着を選ぶほうが収まりがよくなります。黒留袖は「両家の母親の装い」と覚えておくと、家族内で相談するときにも話が早いです。
もうひとつ知っておきたいのが比翼仕立てです。黒留袖は比翼地という布をつけて、下にもう一枚重ねて着ているように見せる作りになっているのが一般的です。レンタルの商品説明に「比翼付き」と書かれていたら、この仕立てのことだと考えて差し支えありません。
父親の装いは、母親の格に合わせて決めるのが基本です。母親が黒留袖なら父親はモーニングコートか紋付袴。両家で格をそろえるのが通例なので、相手のご家族とは早い段階で「和装で行くか洋装で行くか」だけでも共有しておくと、当日の写真がきれいにまとまります。
父親がモーニングを選ぶ場合は採寸が仕上がりを左右します。モーニングレンタルの採寸と試着の手順で扱っています。
紋の数は格の高さと対応しています。五つ紋がもっとも格が高く、三つ紋、一つ紋の順に略式になっていきます。黒留袖が五つ紋だけなのは、そもそも第一礼装として使う着物だからです。色留袖で親族として参列する場合に五つ紋を選べば、黒留袖と同格の装いとして扱えます。紋の数を減らすほど、着られる場面は広がる代わりに格は下がると覚えておくと、選ぶときに迷いません。
家紋は通紋のままで失礼にならない
レンタルで必ず出てくる疑問が「自分の家紋じゃない着物を着ていいのか」です。結論は、問題ありません。晴れ着の丸昌横浜店の解説によると、本来の家紋とは違う紋がついた黒留袖を着ていても、失礼にあたるということはないとされています。
レンタルの黒留袖には、通紋(つうもん)と呼ばれる便宜上の紋が入っています。もっとも代表的なのが五三の桐で、ほかに横木瓜、桔梗、梅鉢、下り藤、三つ柏などが使われます。誰が借りても差し障りのない紋を、あらかじめ入れてあるという仕組みです。
ただし、貼り紋にどの店でも対応しているわけではありません。たとえばきものレンタリエの黒留袖は公式ページに「丸に花菱の五つ紋入」と書かれていて、家紋を指定するオプションは用意されていません。紋を指定したいなら、対応している店をそもそも選ぶ必要があるということです。
どうしても自分の家の紋を入れたい場合は、貼り紋という方法があります。シールのように上から貼り替える紋のことで、対応している店なら追加オプションとして注文できます。たとえばユアスタイルは黒留袖の注文者限定で家紋指定(貼紋)を用意していて、貼り紋5枚で11,000円(税込)、受付は利用日の1か月前までと明記しています(出典:ユアスタイル 家紋指定(貼紋))。家紋の画像をメールで送る手順があるので、思い立ってから当日までの日数には余裕が要ります。
ただ、費用対効果で見ると悩ましいところです。1万円を超える追加費用は、着物本体のグレードを一段上げられる金額に近い。家紋を気にするのは親族のごく一部で、写真に残るのは装い全体の印象という現実もあります。地域や家の考え方によっては強くこだわる場合もあるので、家族に一度確認したうえで決めるのが穏当だと思います。
宅配のフルセットに何が入っているか
宅配レンタルに決めたら、次に確かめるのはセットの中身とサイズです。留袖は着物と帯だけでは着られず、長襦袢や腰紐、伊達締め、帯枕といった小物がそろって初めて着付けに取りかかれます。ところが「フルセット」と書かれていても、入っている点数や品目は店ごとに違うため、呼び名ではなく品目の一覧で判断するほうが確実です。実例として、きものレンタリエは黒留袖のセットを20点と数えていますが、それでも体型補正に使うフェイスタオルは各自で用意するよう案内しています。
サイズ選びでは、洋服の号数に加えて、身長と裄、ヒップの3か所を確かめます。身長の対応範囲は各社でおおむねそろっていますが、店ごとに大きく違うのはヒップと号数の上限です。宅配は届いてからでは打てる手が限られるので、大きめのサイズが要るなら、店選びの段階から気を配っておくと安心です。この章では、20点セットの品目を例に足りないものの見つけ方を確かめ、続いて3か所の測り方と各社の対応範囲を比べます。
20点セットの中身を確かめる
実例を挙げます。宅配着物レンタルのきものレンタリエは、黒留袖を20点フルセットとして案内していて、公式ページに番号つきで並んでいる21の品目は、着物(黒留袖)・袋帯・帯揚げ・帯締め・長襦袢(半衿付き)・草履・バッグ・黒骨の末広(扇子)・腰紐4本・マジックベルト・伊達締め・衿芯・コーリンベルト2本・前板(ゴム付き)・帯枕・足袋(こはぜ付)・肌着(ワンピースタイプ)・サブバッグ(A4サイズ)・髪飾り(かんざし)・着物ハンガー・風呂敷です。
この一覧を見ると、当日の持ち物として自分で用意するものがほとんど残らないことが分かります。ただしゼロではありません。同じページには体型補正用にフェイスタオルを3〜4枚用意するよう案内があります。タオルは家にあるもので足りますが、当日の朝に慌てないよう前日までに数えておいてください。逆に言えば、点数の少ないセットを選んだときは、この一覧と突き合わせて足りないものを買い足す必要が出てきます。腰紐・伊達締め・衿芯・足袋あたりは、なければ着付けが始まらない必需品です。
足袋と肌着については、衛生面から自前を用意したい人もいると思います。その場合はセットに含まれていても使わなければいいだけなので、含まれている側を選んでおくほうが安全です。
各社のセット内容やクーポンの実際は、きものレンタリエの口コミと料金を調べた記事で細かく確認しました。モール形式で複数の店から選ぶタイプについてはきもの365の評判を評点と規約で検証した記事にまとめています。運営のしくみが違うと、キャンセルや返金のルールも変わってくるので、あわせて見ておくと選びやすいはずです。
小物にはそれぞれ役割があります。末広は帯に挿しておく礼装用の扇子で、あおぐためのものではありません。かんざしは髪をまとめたときの飾り、サブバッグは礼装用のバッグに入りきらない荷物を持つためのものです。着物ハンガーは、脱いだあとに湿気を飛ばしてから返却するために使います。どれも当日その場では買い足せない品なので、セットに入っているかどうかは点数だけでなく品目で確認してください。
セットの中身は、実際の商品ページを開いて品目を数えるのがいちばん早いです。きものレンタリエは黒留袖を20点フルセットとして案内していて、何が入って何が入らないかを注文前に確かめられます。
サイズは身長と裄とヒップで見る
着物のサイズは洋服の号数だけでは決まりません。見るべきは身長・裄(ゆき/首の付け根から手首までの長さ)・ヒップの3か所です。宅配レンタルの各社は、この3つを基準に選べるよう対応範囲を公表しています。
たとえば、きものレンタリエの黒留袖は公式のよくある質問に「大きいサイズは身長174cmまで、小さいサイズは身長145cmから」「ヒップは現在108cmまで対応」と書かれています。わらくあんは身長145〜175cm、ヒップ99cm以下と100〜115cmの区分、足のサイズは21.0〜27.0cmまで。RENCAは7号から27号までの号数展開で、身長145〜175cmとしています。
数字を見比べると、身長の対応幅はどこも近い一方で、ヒップと号数の上限は店によってはっきり差があることが分かります。ゆったりしたサイズが必要な場合は、号数展開の広い店から探し始めるのが近道です。
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| 確かめる項目 | 測り方・見るところ | 合わないとどうなるか |
|---|---|---|
| 身長 | 着丈の目安になる | 裾が長すぎる・短すぎる |
| 裄(ゆき) | 首の付け根中心から肩を通って手首まで | 袖が短く手首が出る |
| ヒップ | いちばん太い位置を水平に | 前が合わず裾が割れる |
| 足のサイズ | 草履のサイズ区分 | 当日歩きづらい |
自己申告のサイズだけで決めるのは危険です。裄は自分では測りにくい箇所なので、家族に手伝ってもらうか、手持ちの着物があればそれを平らに置いて測ってください。数値が境界にかかるときは、店の問い合わせ窓口に実寸を伝えて相談するのが確実です。届いてから合わないと分かっても、式の直前では交換が間に合わないことがあります。
サイズで迷うなら、本番前に手元で確かめられる店を選ぶという手もあります。わらくあんは黒留袖のほか振袖や訪問着まで扱っていて、事前下見レンタルを別料金で用意しています。
着物代だけでは総額にならない

留袖のレンタル料は、当日までに出ていくお金の一部にすぎません。着せてもらう着付け代、髪を整えるヘアセット代、会場によってかかる持ち込み料まで足して、ようやく実際の支払額が見えてきます。着付けまわりの料金は頼む先で差が大きく、式場やホテルでヘアセットまで頼むと1万〜3万円ほど、一般の美容室なら着付けとヘアセットで1万〜2万円ほどが目安です。相場をもとにした一例の試算では、宅配の着物と近所の美容室を組み合わせると、式場で一式頼む案より25,000円ほど安くなりますが、あくまで目安なので、実際の金額は見積もりで確かめてください。
持ち込み料も、よく聞く金額をうのみにしないほうが安全です。新郎新婦の衣装について語られる相場が親族の留袖にもそのまま当てはまるとは限らず、無料になるかどうかも会場の決まりしだいです。この章では、頼む先ごとの着付けとヘアメイクの相場を表で確かめ、会場へ前もって聞いておきたい3つの質問と、当日の荷物の扱いを整理します。
着付けとヘアメイクの相場
着付けの料金は、どこに頼むかで変わります。結婚式場やホテルの場合は、着付けだけで4,000円から20,000円程度。ヘアセットをつけると1万円から3万円程度、ヘアセットにメイクまで加えると1万5,000円から3万5,000円程度が目安とされています。
一般の美容室であれば、着付けが5,000円から10,000円程度、着付けとヘアセットのセットで1万円から2万円程度という水準です。出張着付けを頼む場合は4,000円から8,000円程度が相場で、これに出張料や早朝料金が加わることがあります。
この差は無視できません。式場で一式頼むと便利ですが、その利便性には相応の金額がついています。逆に、朝早くから美容室へ移動して、着物を持ち込んで、また会場へ向かう手間を許容できるなら、1万円以上は圧縮できる計算になります。
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| 頼む先 | 着付けのみ | 着付け+ヘアセット | メモ |
|---|---|---|---|
| 式場・ホテル | 4,000〜20,000円 | 10,000〜30,000円 | メイクまで含めると15,000〜35,000円程度 |
| 一般の美容室 | 5,000〜10,000円 | 10,000〜20,000円 | 移動時間の確保が必要 |
| 出張着付け | 4,000〜8,000円 | 店により異なる | 出張料・早朝料金が別途かかることがある |
宅配レンタルで20,000円の黒留袖を借り、近所の美容室で着付けとヘアセットを15,000円で頼んだ場合、総額は35,000円。同じ内容を式場でまとめて頼むと、着物40,000円+着付けとヘアセット20,000円で60,000円という試算になります。差は25,000円ほどで、そのぶんの手間が移動と段取りです。この金額差を見てから、どちらを取るかを決めてください。金額はいずれもここまでに挙げた相場から置いた一般的な目安で、実際の見積もりとは異なります。
予約の取り方にも注意が要ります。着付けは1人あたり45分から90分ほどかかるうえ、式の当日は同じ時間帯に希望が集中します。美容室に頼むなら、式場入りの時刻から逆算して枠を押さえておかないと、そもそも希望の時間が空いていません。会場までの移動時間と、着物で歩く速度が普段より落ちることも計算に入れておくと安心です。
会場に持ち込むときの確認事項
外部で借りた衣装を会場に持ち込む場合、持ち込み料が発生することがあります。よく言われる「1着3万円から5万円」という相場は新郎新婦の婚礼衣装についてのもので、親族の衣裳をどう扱うかは会場ごとに方針が違います。親族の留袖なら無料という会場もあれば、着付けを外部に頼む場合だけ料金が発生する会場もあるので、思い込みで判断せず必ず確認してください。
確認するときは、次の3つを具体的に聞くと話が早く進みます。「親族の和装を外部レンタルで持ち込む場合、持ち込み料はかかりますか」「会場内の美容室で着付けをお願いした場合、外部の衣装でも受けてもらえますか」「着替えと荷物置き場は用意してもらえますか」。この3点が決まれば、当日の動線と費用がほぼ確定します。
荷物の扱いも意外と重要です。宅配レンタルの箱はそれなりに大きく、着替え後の洋服も持ち帰る必要があります。控室が使えるのか、預かってもらえるのか。ここを詰めておかないと、式のあいだじゅう大きな紙袋を抱えることになりかねません。
親族の衣装をどう用意するかという判断は、冠婚葬祭の装い全般に共通する話でもあります。着る頻度と保管の手間で決める考え方は喪服をレンタルと購入で比べた記事で数字にしているので、留袖の判断にもそのまま応用できます。
予約から返却までの段取り

最後は日程の組み方です。宅配の留袖は、注文してから届くまでに日数がかかり、返すときにも期限があります。式の日から逆算して動かないと、気に入った一着が見つかっても手配が間に合いません。予約に動き出すのは式のおよそ1か月前が一般的な目安です。結婚式の多い3月・9月・11月は同じ日に式が重なりやすいので、その時期にかかるなら、もう一段早く在庫を確かめておくと柄を選ぶ余地が残ります。利用日の6日前まで注文できる店でも、締切間際に好みの柄や色が残っているとは限らず、混み合う時期は受付を早めに打ち切ることもあります。
届く日と返送の期限は店ごとに違い、貸出期間もおおむね3泊4日から5泊6日の間で分かれます。この章では、予約の目安と下見の使い方、契約前に確かめたい項目とキャンセル料の起点を見たうえで、レンタル期間の数え方、返却と延滞料、汚したときの保証、届いた日にやることを順に確かめ、あわせてよくある質問にも答えます。
予約は1か月前が目安
一般的な目安として、留袖レンタルの予約は1か月前を基準に考えるとよいとされています。3月・9月・11月といった結婚式の多い時期は在庫が動きやすいので、そこにかかる日程ならもっと早めに動くほうが安心です。
各社の締切そのものは、意外と直前まで受け付けています。たとえばきものレンタリエは、利用日の6日前までを注文受付の締切としています。ただし公式ページには、繁忙期は締切が早まる場合があるとも書かれています。ただしこれは「間に合う限界」であって、その時点で残っている在庫から選ぶことになるのが実際のところ。柄も色も好きに選びたいなら、締切とは別の話として早めに押さえてください。
下見ができる店もあります。わらくあんは事前下見を1泊2日2,200円(税込)で用意していて、本番前に現物を確認できます。写真と実物の色味が違うことは珍しくないので、不安があるなら費用を払ってでも見ておく価値はあります。
柄の残り方は、在庫一覧を開けばその場で分かります。きもの365は複数の店の留袖をまとめて探せるので、自分の日程で何が残っているかを先に見ておくと、動く時期の判断がしやすくなります。
予約時に確認すべき項目は、国民生活センターが整理しています。成人式の晴れ着レンタルについての解説ですが、確かめる中身は留袖でもそのまま同じです。挙げられているのは、衣装などレンタルされる商品の内容、着付けや写真撮影などレンタル以外のサービスの内容、料金はいくらか、レンタルの期間はどのくらいか、契約の成立時期、解約条件、キャンセル料の7点。あわせて、契約をせかされてもその場ですぐに判断しないように、とも書かれています(出典:国民生活センター 消費者トラブル解説集)。
キャンセル料の起点は店によってばらばらです。発送前なら無料という店もあれば、注文確定の時点から発生する店もあります。日程が確定していない段階で「とりあえず押さえる」のは、この規定を読んでからにしてください。読むのは5分ですが、読まずに払う金額は数千円から数万円になります。私はここを飛ばして後悔した話を何度も見てきました。
結婚式が3月・9月・11月に集中するのは、気候が安定していて服装の負担が少ないからです。この時期は同じ日に式が重なるので、人気の柄やサイズから在庫が動きます。ゆったりしたサイズや、逆に小柄な人向けのサイズは在庫数そのものが少ないため、標準サイズより早く埋まりやすい傾向があります。日程が決まった時点で在庫を見ておくだけでも、選択肢の残り方が分かります。
レンタル期間と返却の締切
宅配レンタルの期間は3泊4日から5泊6日あたりが中心です。きものレンタリエは4泊5日で、利用日の2日前に届く設定。わらくあんは通常5泊6日。RENCAは手元に届いた日から3泊4日で、前日配送の場合は2泊3日になります。
ここで大事なのは、レンタル期間は「借りている日数」であって「使える日数」ではないということです。2日前に届いて翌日に返すなら、実質的に着られるのは1日。前日に中身を確認して、小物の不足やシワをチェックする時間として使うのが正しい配分になります。
返却は、同梱の伝票をそのまま使うのが基本です。クリーニングは不要としている店がほとんどで、着たままの状態で畳んで返せます。ただし返却期限を過ぎると延滞料が発生するので、式の翌日に発送できるかどうかは事前に段取りしておいてください。
汚れへの備えも確認しておきましょう。汚してしまったときの保証は「安心パック」などの名前で有料オプションになっている店が多く、きものレンタリエの公式ページには他社では+1,000円ほどが相場だと書かれています。同社自身は、落とせる汚れや直せるほつれであれば修繕費を取らないとしています。有料か無料かは店によって違うので、食事のある披露宴で丸一日着ることを考えるなら、注文前にここを見ておいてください。
ここまでの考え方は、着る回数が限られる衣装全般に共通します。何を借りて何を持つかの線引きについては使用頻度と保管コストで判断するレンタル活用ガイドで整理しました。洋装で参列する場合の相場は結婚式のお呼ばれドレスをレンタルで用意する記事のほうが参考になります。
届いた日にやることも決めておきましょう。まず品目をリストと突き合わせて、足りないものがないか確認します。次に着物と長襦袢をハンガーにかけて、たたみジワを落とします。最後に、草履を履いて数歩歩いてみる。この3つを前日までに済ませておけば、当日の朝に想定外が起きる確率はぐっと下がります。箱を開けるのを式の前日の夜にしない、これだけでも段取りとしては十分効きます。
留袖レンタルに関するよくある質問(FAQ)
留袖レンタルの相場はいくらくらいですか?
借りる場所によって変わります。一般的な結婚式場で2万円から6万円、ハイクラスのホテルや式場で3万円から10万円、着物専門のレンタル店で3万円から9万円、ネットの宅配レンタルで1万円から5万円というのが目安です。ここに着付けやヘアメイクの費用が別途かかるので、総額で比べてください。
レンタルの黒留袖に入っている家紋は自分の家紋でなくて大丈夫ですか?
問題ありません。レンタルの黒留袖には五三の桐などの通紋が入っているのが一般的で、本来の家紋と違っていても失礼にはあたらないとされています。どうしても指定したい場合は貼り紋のオプションを用意している店があり、利用日の1か月前までなど締切が設けられています。
留袖のレンタルはいつまでに予約すればいいですか?
目安は1か月前です。締切自体は利用日の6日前まで受け付けている店もありますが、その時点で残っている在庫から選ぶことになります。3月・9月・11月など結婚式が集中する時期は動きが早いので、日程が決まったら早めに押さえるほうが選択肢が広がります。
母親が色留袖を着てもいいですか?
新郎新婦の母親は五つ紋の黒留袖を着るのが一般的です。色留袖は既婚未婚を問わず着られる装いで、親族以外のゲストや新郎新婦の姉妹、各種の式典で選ばれます。両家で格をそろえるのが通例なので、迷う場合は相手のご家族と事前に相談しておくと安心です。
宅配で借りた留袖を式場に持ち込むと追加料金がかかりますか?
会場によって扱いが異なります。よく言われる持ち込み料の相場は新郎新婦の婚礼衣装についてのもので、親族の和装は無料という会場もあります。着付けを会場内の美容室に頼めるかどうかも含めて、事前に会場へ直接確認してください。最終的な条件は会場の規定が優先されます。
まとめ|留袖は総額と段取りで決める
留袖レンタルの価格差は、着物そのものより調達ルートで決まります。一般的な式場で2万円から6万円、ハイクラスのホテルで3万円から10万円、着物専門店で3万円から9万円、宅配レンタルで1万円から5万円。宅配の上限が式場やホテルの価格帯に食い込むので、予算を抑えたいなら宅配で上位グレードを選ぶという発想が有効です。
母親が着るのは五つ紋の黒留袖です。家紋は通紋のままで失礼にあたらず、どうしても指定したい場合だけ貼り紋のオプションを検討すれば足ります。セットは点数と品目で判断し、サイズは身長・裄・ヒップの3か所で合わせてください。
そして、着物代だけを見て決めないこと。着付けとヘアメイクで1万円から3万5,000円程度、会場によっては持ち込みの条件も加わります。レンタル料と着付け費用を足した総額で並べるのが、後悔しない比べ方です。
段取りは、予約が1か月前、到着が利用日の2日前、返却が式の翌日というのが標準的な流れになります。キャンセル料の起点だけは店ごとに違うので、注文前に規約を読んでおいてください。ここまで押さえておけば、久しぶりの和装でも落ち着いて当日を迎えられるはずです。
なお、記事内の金額はいずれも公表されている相場や公式サイトの掲載価格をもとにした一般的な目安です。実際の料金や条件は時期・地域・店舗によって変わりますので、正確な情報は各社の公式サイトをご確認ください。会場ごとの持ち込み規定や着付けの手配については、最終的に式場と各店へ直接ご確認をお願いします。