レンタカーで駐車違反!反則金と会社への違約金の払い方
こんにちは。UNOWNED でレンタル・サブスクを調べているいつきです。
借りた車に戻ったら、フロントガラスに黄色いステッカーが貼られていた。そういう場面で頭に浮かぶのは「いくら取られるんだろう」だと思います。
でも、レンタカーの駐車違反でいちばん損が膨らむのは、金額を調べている時間なんですね。自分の車なら後日届く納付書を待てばいいのですが、レンタカーは返却という期限があります。そこで手続きが終わっていないと、会社から別の請求が立ちます。
しかも請求額は反則金より高く設定されています。普通車の反則金が1万5千円から1万8千円のところ、レンタカー会社が預かる金額は2万5千円から3万円。払わなければ次から借りられなくなる仕組みまで用意されています。
今回は、警視庁が公開している反則金額と点数の一覧、警察庁がまとめた取締りの実績、それにレンタカー大手4社の規定を突き合わせて、標章が貼られた瞬間から何をどの順でやれば総額が最小になるのかを整理しました。
結論を先に書くと、返却までに終えるべきことは3つです。標章に書かれた警察署へ出頭する、反則金を納める、その2種類の書類を持って店舗へ戻る。金額を調べるより先にこの順で動けば、会社への違約金も協会への登録も発生しません。
- 標章が貼られた直後にやるべき手続きと順番
- 反則金・放置違反金・違反点数の正確な金額と点数
- レンタカー4社が定める違約金の額と返金の条件
- 放置したときに会社と自分の双方に起きること
標章が付いたら先にやる3つのこと

まず手順から押さえます。レンタカーの駐車違反は、手続きの順番を間違えると金額が跳ね上がる性質があるからです。
大手4社の案内はどれも同じ構造で書かれています。警察署へ出頭する、反則金を納める、その証明書類を返却時に提示する。この3つが揃っていれば、会社側の追加請求は発生しません。
逆にどれか1つが欠けると、会社が定める違約金の対象になります。つまり追加請求を避ける条件は金額ではなく手続きの完了だということですね。
この章では、出頭を先にすべき理由と、返却時に何を出せばよいのかを具体的に確認します。4社の案内を読み比べると、求められている書類の呼び方は微妙に違うのに、実質は同じ2点に収まることが見えてきます。
金額を調べる前に警察署へ出頭
最初の行動は出頭です。ニッポンレンタカーは、放置駐車違反の確認標章が取り付けられた場合について「直ちに、その地域を管轄する警察署に出頭し、所定の手続きを完了してください」「直ちに、反則金の支払いを完了してください」と案内しています。
トヨタレンタカーも同じで、「確認標章に記載されている警察署に出頭してください」「所定の手続きと反則金などの支払いをしてください」「違反処理後、レンタカーをご返却ください」という3ステップを示しています。返却より先に処理を終える前提になっているわけです。
なぜ先かというと、締切が返却時刻だからです。標章が貼られてから納付書が届くまで待つという自分の車と同じ進め方をすると、返却の時点で書類が揃いません。そこで会社の違約金の条件に当たってしまいます。
もう1つ、レンタカー会社には先に連絡が入ります。トヨタレンタカーは「※警察からトヨタレンタカーに連絡が入り次第、お客様へご連絡いたします」と明記しています。車検証上の使用者は会社なので、警察は会社に照会するわけですね。黙っていればバレない、という構図にはなっていません。
ニッポンレンタカーが貸渡時に携帯電話番号を求めているのも同じ理由です。同社は「ご利用期間中の緊急連絡先、放置駐車違反発生時の連絡先として、携帯電話番号をお知らせください」と案内しています。会社側は最初から連絡ルートを用意しているということです。
行程の都合で当日に出頭できないこともあるでしょう。その場合は、まず借りた店舗へ電話して状況を伝えるのが先です。返却を延ばすか、違約金を預けて後日精算するかは会社の規定で決まるので、自己判断で放置しないのが肝心です。
そもそも貸渡時にどんな条件を受け入れているのかは、契約の段階で確認できます。受付から返却までに何を確認されるのかはレンタカーの借り方|必要なもの・受付から返却までの流れを完全整理にまとめてあるので、初めて借りる人は先に目を通しておくと当日の判断が早くなります。
返却時に出す書類は2種類
次に提示物です。4社とも要求しているのは同じ2点で、呼び方が少しずつ違うだけです。
1つめが「交通反則告知書」。出頭したときに警察から受け取る青色の書類で、いわゆる青切符です。2つめが「領収印のある納付書・領収証書等」で、これは金融機関などで反則金を納めた証明になります。
ニッポンレンタカーは「確認のためご返却時に、交通反則告知書と領収印のある納付書・領収証書等の書類を店舗スタッフにご提示ください」と書いています。タイムズカーレンタルも「帰着時に『交通反則告知書』および領収日付のある『納付書・領収証書等』の書類の提示をお願いします」と同じ2点です。
ニコニコレンタカーは「ご返却時に『交通反則告知書』および領収日付けのある『納付書・領収書』などの書類を確認させて頂きます」、トヨタレンタカーは「返却の際に『警察で受け取った書類』『領収書』などをご提示ください」としています。表記の差はありますが、求められているのは出頭した証明と納付した証明の2つです。
ここで注意したいのは、片方だけでは足りないという点です。出頭して青切符をもらっただけで納付が済んでいなければ、会社は納付を確認できません。反則金の納付には期限があるので、出頭したその足で金融機関へ向かう段取りが現実的でしょう。
返却の段取り自体がタイトだと、この手続きが入る余地がありません。返却時刻の考え方はレンタカーの返却時間と延長料金|遅れたとき・早く返したときの扱いに整理してあるので、延長の判断と合わせて見ておくと動きやすくなります。
「返却してから納付しよう」は、会社の違約金が発生する典型の流れです。出頭と納付を返却前に終え、2種類の書類を持って店舗へ戻るのが、追加の負担を避ける唯一の道筋になります。
反則金と放置違反金はいくらか
ここからは金額です。駐車違反のお金には似た名前が3つあって、この区別がつくと請求の流れが読めるようになります。
1つめが反則金。違反した運転者が納める金額です。2つめが放置違反金で、運転者の責任を追及できなかったときに車両の使用者が納める金額になります。3つめがレンタカー会社の違約金で、これは会社との契約にもとづく負担です。
このうち1つめと2つめは同額です。大阪府警は「放置違反金の額は、その放置違反金の納付を命ぜられる原因となった違法駐車行為をした者が納付すべき反則金の額と同額となります」と説明しています。
この章では警視庁が公開している一覧から実額と点数を確認し、そのうえで「放置車両」という言葉の定義まで押さえます。
普通車は15000円か18000円

金額は場所で2段階に分かれます。警視庁が公開している反則行為の種別及び反則金一覧表(単位は千円)で確認しましょう。
放置駐車違反のうち駐停車禁止場所等での違反は、大型車25・普通車18・二輪車又は原付車10。つまり普通車なら18,000円です。
もう一方の駐車禁止場所等での放置駐車違反は、大型車21・普通車15・二輪車又は原付車9。普通車で15,000円になります。
運転者がその場にいてすぐ動かせた場合は「放置」ではなく駐停車違反として扱われ、金額が下がります。駐停車禁止場所等なら大型車15・普通車12・二輪車7、駐車禁止場所等なら大型車12・普通車10・二輪車6です。
ここで言う普通車の範囲も同表に定義があります。「普通車とは、普通自動車、軽自動車(二輪車を除く)及びミニカーのこと」。レンタカーで借りる軽自動車も普通車の区分に入るので、軽だから安いという話にはなりません。大型車の側は「大型自動車、中型自動車、準中型自動車、大型特殊自動車、トロリーバス及び路面電車のこと」とされています。
なお、時間制限駐車区間の専用枠などで違反した場合は、同表で加算後の額(普通車の放置駐車違反なら20または17)が示されています。金額は改定されるため、正確な額は警視庁や各都道府県警察の一覧で確認してください(出典:警視庁 反則行為の種別及び反則金一覧表)。
違反点数は2点または3点
点数も場所で分かれます。警視庁の交通違反の点数一覧表では、放置駐車違反の駐停車禁止場所等が3点、駐車禁止場所等が2点です。
放置に当たらない駐停車違反は軽く、駐停車禁止場所等が2点、駐車禁止場所等が1点となっています。同じ場所に同じ時間止めていても、運転者がその場にいたかどうかで点数が1点ずつ変わる構造ですね。
点数が付くのは、運転者が出頭して責任を引き受けたときです。運転者の責任が追及されず、使用者が放置違反金を納める形で終わった場合、運転者の免許に点数は付きません。
ただしこれを「出頭しない方が得」と読むのは早計です。ここでは2つの別の支払いが動きます。ひとつは使用者であるレンタカー会社が公安委員会へ放置違反金を納めるもの、もうひとつは会社が契約にもとづいて利用者へ違約金を請求するものです。
つまり国への納付と会社への支払いは相手が違う別の取引で、利用者が負うのは後者です。金額は反則金より高く、さらに協会の情報システムへ登録されて以後の利用を断られる措置まで控えています。
金額と点数を並べると、駐停車禁止場所は「18,000円と3点」、駐車禁止場所は「15,000円と2点」。免許の点数は6点に達すると行政処分の対象になるため、前歴がある人には3点の重さが変わってきます。
自分のケースがどちらに当たるかは標章と青切符に記載されます。不明な点は標章に書かれた警察署へ直接確認するのが確実でしょう。
放置車両の定義に時間は関係ない
「5分だけだったのに」という感覚とのズレは、ここに原因があります。
警視庁は放置車両を「違法駐車と認められる場合における車両であって、運転者がその車両を離れて直ちに運転することができない状態にあるもの」と定義しています。判断されるのは時間ではなく状態です。
そして続く一文が決定的です。「車両の停止時間の長短、車両から離れた距離の遠近、エンジンを止めているか否か、ハザードランプをつけているか否かということは関係ありません」。短時間、すぐ近く、エンジンはかけたまま、ハザードは点けていた——よく聞く4つの言い分が、いずれも定義上は考慮されないと明記されているわけです。
ニッポンレンタカーも取締り強化のポイントとして「短時間の違法駐車でも取締りの対象となります」「民間業者も取締りを実施します」を挙げています。ニコニコレンタカーも「違法駐車は短時間でも取締りの対象となります」と同じ注意を出しています。
取締りの規模も公開されています。警察庁の資料によると、放置車両の確認事務は令和6年4月1日現在で全国414警察署において54法人に委託され、約1,900人の駐車監視員が活動しています。
件数で見ると、令和5年中の放置車両確認標章の取付件数は78万829件。うち駐車監視員によるものが50万7,735件です。年間78万件という規模なら、旅行先で当たる確率は決して低くないということになります。
旅程に駐車場の確保が組み込まれていないと、この確率は上がります。車種を決めるときに駐車のしやすさまで見ておきたい場合は、レンタカーの車種の選び方|人数別クラスの目安と車種指定できる範囲でクラスごとの大きさを確認してから選ぶと現地で困りにくくなります。
レンタカー会社への違約金
返却までに、出頭して反則金を納めたことを示す書類を見せられなかった場合、会社が求める金額は普通車で25,000円か30,000円です。法律で決まった額ではなく各社の規定なので、名称がそろっていないうえ、車格によって額を分ける会社と、車格を問わず一律の額にしている会社があります。
もうひとつの違いは、あとから納付して書類を出したときの戻り方です。預けた全額を返すと書く会社がある一方で、放置違反金相当額を返すとして振込手数料を利用者の負担にする会社や、納付期限内であることを返金の条件にする会社もあります。払った額が近くても、戻る金額と手間がそろうとは限りません。
この章では、4社が公開している金額をまず確認し、次に返金の書きぶりの違いを読み比べ、最後に名称・額・返金条件・未払い時の措置を1つの表に並べます。
25000円か30000円を預ける
金額から見ましょう。ニッポンレンタカーは、書類の提示がなく反則金の納付が確認できない場合に「次の金額をお預りいたします。普通車クラス=25,000円、中型車クラス=30,000円」と公開しています。
トヨタレンタカーは「レンタカーご返却までに違反処理をしていただけなかった場合、当社が別に定める駐車違反金『普通車:25,000円、準中・中・大型車:30,000円』(不課税)をご負担いただきます」としています。車格の区切りが「準中・中・大型車」と広いのが特徴です。
タイムズカーレンタルは車格で分けず、「当社の定める駐車違反金30,000円の支払いが発生します」と一律の額を示しています。普通車でも3万円ということになります。
ニコニコレンタカーは「25,000円の駐車違反違約金をお支払い頂きます」で、こちらも一律です。格安系でも額は大手と同水準に置かれています。
反則金が15,000円から18,000円であることを思い出すと、差は7,000円から15,000円。手続きを後回しにしただけで、この差額がいったん財布から出ていく計算になります。
この金額は契約上の定めであって、違反の重さとは連動しません。駐車禁止場所の15,000円の違反でも、預かるのは25,000円や30,000円ということです。
紛らわしいのですが、これは事故のときの免責額やNOCとはまったく別の項目です。車体を傷つけた場合の自己負担の仕組みはレンタカーの免責補償は必要?NOCとの違いと自己負担15万円の内訳に整理してあり、免責補償に加入していても駐車違反の違約金は対象外です。
同じ「返却時に請求される」という形をとるので混同しやすいところですね。実際に傷をつけたときいくら請求されるのかはレンタカーを擦ったらいくら?免責額とNOCの内訳と事故直後の手順で金額の内訳を確認できます。
返金の条件は会社で違う
次に返金です。ここがいちばん見落とされる部分ですね。
ニッポンレンタカーは明快で、「レンタカーの返却後に反則金を納付し、交通反則告知書と領収印のある納付書・領収証書等の書類を店舗スタッフにご提示いただくことにより、お預りいたしました全額をご返金いたします」としています。全額という言葉が入っています。
トヨタレンタカーも「レンタカーのご返却後に、警察に出頭・反則金納付のうえ、交通反則告知書と領収印のある納付書・領収証書等の書類を、所定の方法でご提示いただくことにより、お預かりした金額をご返金いたします」と案内しています。
タイムズカーレンタルは書き方が異なります。「後日、反則金を納付の上『交通反則告知書』『納付書・領収証書等』を当該店へ提示された場合、放置違反金相当額を返金いたします」とあり、さらに「返金は指定口座への振込にて行います。(振込手数料はお客様負担となります。)」と続きます。
預けた額は30,000円、返るのは放置違反金相当額という書き方なので、同額が戻るとは読めません。加えて振込手数料も自己負担です。実際にいくら戻るのかは、店舗に確認してから判断するのが確実でしょう。
ニコニコレンタカーには期限の条件が付きます。「後日納付期限内に反則金を納付し、『交通違反告知書』および『納付書・領収書等』をご提示いただければ、違約金を返金いたします」。納付期限内という制約があるので、うっかり過ぎると返金の前提が崩れます。なお、同じページの上の段では書類名が「交通反則告知書」と書かれているので、引用の「交通違反告知書」も、出頭したときに受け取る青切符を指していると考えられます。
4社の規定を並べて比べる

ここまでの条件を表にまとめます。金額と条件は各社が公開している内容で、改定される前提で見てください。
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| 項目 | ニッポンレンタカー | トヨタレンタカー | タイムズカーレンタル | ニコニコレンタカー |
|---|---|---|---|---|
| 名称 | お預り金 | 駐車違反金(不課税) | 駐車違反金 | 駐車違反違約金 |
| 普通車の額 | 25,000円 | 25,000円 | 30,000円 | 25,000円 |
| 大きい車の額 | 中型車クラス30,000円 | 準中・中・大型車30,000円 | 区分なし(一律30,000円) | 区分なし(一律25,000円) |
| 返金の記載 | お預りした全額を返金 | お預かりした金額を返金 | 放置違反金相当額を返金 | 違約金を返金 |
| 返金の手段(公式の記載) | 記載なし(店舗へ書類を提示) | 記載なし(所定の方法で書類を提示) | 指定口座へ振込・振込手数料は客負担 | 記載なし(書類を提示) |
| 返金の条件 | 返却後に納付+書類提示 | 返却後に出頭・納付+書類提示 | 後日納付+書類提示 | 納付期限内に納付+書類提示 |
| 提示する書類 | 交通反則告知書+領収印のある納付書・領収証書等 | 警察で受け取った書類+領収書など | 交通反則告知書+領収日付のある納付書・領収証書等 | 交通反則告知書+領収日付けのある納付書・領収書など |
| 未払い時の措置 | (社)全国レンタカー協会に登録・加盟社が貸渡を断る場合あり | 警察・公安委員会・協会へ報告/全国のトヨタレンタカー事業会社と協会加盟店で貸渡を断る | 全国レンタカー協会情報管理システムに登録等の措置/加盟社が以後の利用を断る場合あり | 以後のレンタカー利用を断る場合あり |
並べると、額そのものは25,000円か30,000円の2択に収まっています。差が出るのは返金の書き方と、車格の区分の引き方です。
とくにタイムズカーレンタルの「放置違反金相当額」という表現と振込手数料の客負担は、他社と条件が違う部分です。返却前に処理を終えれば関係のない話なので、やはり出頭を先にするのが全社共通の最適解になります。
会社の規定を読み比べていて気づいたのは、4社とも「違反したこと」ではなく「書類が出ないこと」に対して金額を設定している点です。罰金の上乗せではなく、会社が使用者として負うリスクの担保というわけですね。
払わないとどうなるのか

手続きも違約金も放っておくと、制度と契約の2つの経路で処理が進んでいきます。制度の側では、運転者の責任を問えないまま終わると、公安委員会は車検証で使用者とされるレンタカー会社に放置違反金の納付を命じます。命令の前に弁明の機会はありますが、利用者が違反したという事情は認められる理由に入っていません。
契約の側では、会社が負わされた負担は利用者への請求に回ります。それも払われない場合について、4社とも規定に以後の利用のお断りを挙げていて、うち3社はレンタカー協会への登録や報告にも触れています。
この章では、納付命令が出る条件と弁明の扱い、滞納処分や車検拒否の件数を警察庁の資料で確かめたうえで、各社の未払い時の措置を順に読みます。会社の側が負う手続きと負担が分かると、違約金の額が高めに置かれている理由も見えてきます。
会社が使用者として命令を受ける
まず制度の側です。警視庁は使用者を「車両を使用する権原を有し、車両の運行を支配・管理する『車両の使用者』のことをいい、通常、自動車検査証に記載されている使用者がこれに当たります」と説明しています。レンタカーなら会社が使用者に当たります。
納付命令が出る条件も明示されています。標章が取り付けられた車両について、違反した運転者による反則金の納付、運転者に対する公訴の提起、運転者(少年)に対する家庭裁判所の付審判のいずれもなく運転者責任が追及できない場合に、公安委員会が使用者へ放置違反金の納付を命令します。
命令の前には弁明の機会が設けられます。公安委員会が弁明通知書を使用者へ送り、弁明書と有利な証拠を提出させる仕組みです。弁明が認められるのは、事実誤認等により違反が成立していない場合、違反日に放置車両の使用者でなかった場合、天災等の不可抗力に起因するなど使用者の責に帰すことが著しく相当性を欠くことが明らかである場合の3つとされています。
つまり「借りた人が違反した」という事情は弁明の理由に並んでいません。会社は納付せざるを得ず、その負担を契約で利用者へ回す構造になっているわけです。
納付しない場合の手当ても用意されています。納付期限を過ぎれば延滞金が課され、滞納すれば財産の差押えなどの滞納処分が行われます。さらに「放置違反金を滞納して公安委員会による督促を受けた者は、車検時に、放置違反金を納付したこと又は徴収されたことを証する書面を提示しなければ自動車検査証の返付を受けることができません」という車検拒否の制度もあります。
実績も公開されています。警察庁の資料では、令和5年中に放置違反金を納付しなかった者への滞納処分が9,372件、車検拒否が9,543件。納付命令を繰り返し受けた車両の使用者に対する車両の使用制限命令は1,632件実施されています(出典:警察庁交通局「駐車対策の現状」(令和6年11月))。
協会登録で次から借りられない
次に契約の側です。4社とも未払い時の措置を公開しています。
ニッポンレンタカーは「当社が反則金の納付を確認できず、かつ、当社がお預りする金額または請求額の全額のお支払いをされないお客さまは、(社)全国レンタカー協会に登録され、同協会加盟レンタカー会社は今後のお客さまに対する貸渡しをお断りする場合がございますのでご注意ください」としています。
タイムズカーレンタルはさらに具体的で、「当社が放置違反金納付命令を受けたとき、又は当社の指定する期日までに規定する請求額の全額の支払いがない時は、一般社団法人全国レンタカー協会情報管理システムに登録する等の措置を取ります」「同協会に加盟するレンタカー会社は、該当のお客様への以後のレンタカー利用をお断りする場合があります」と記載しています。
トヨタレンタカーは報告先まで挙げています。「警察、公安委員会およびレンタカー協会に報告すると共に、全国のトヨタレンタカー事業会社並びにレンタカー協会加盟店各社での今後のレンタカー貸渡をお断りいたします」。1社との取引が切れるのではなく、業界全体で借りられなくなるという書き方です。
ニコニコレンタカーも「反則金納付の確認が取れない場合および違約金のお支払いをいただけない場合は、以後のレンタカー利用をお断りする場合がございます」としています。格安系も同じ方針です。
借りるという選択は、必要なときだけ車を使える身軽さが利点です。その利点を失うのは、数千円の差額よりずっと大きな損になります。所有と非所有を比べて借りる側を選んだ人にとっては、ここがいちばんの実害でしょう。
そもそもどのくらいの頻度で使うなら借りる方が合うのか、という手前の判断はレンタカーとカーシェアはどっちが安い?時間と距離で見る損益分岐点で時間と距離から見られます。使い方が短時間中心なら、駐車の制約そのものが変わることもあります。
出頭して反則金を納めれば、支払いは15,000円か18,000円で終わり、会社への違約金も協会登録も発生しません。免許に2点または3点が付くかわりに、金銭と今後の利用可否の両方を守れる選択です。
レンタカーで駐車違反した場合のよくある質問(FAQ)
返却に間に合わないので、返してから手続きしてもよいですか?
返却時に書類を提示できないと、各社が定める違約金の対象になります。ニッポンレンタカーは普通車クラス25,000円・中型車クラス30,000円を預かるとし、トヨタレンタカーは普通車25,000円・準中・中・大型車30,000円を負担させるとしています。タイムズカーレンタルは一律30,000円、ニコニコレンタカーは25,000円です。いずれも後日に納付して書類を提示すれば返金される規定ですが、タイムズカーレンタルは「放置違反金相当額を返金」で振込手数料も客負担、ニコニコレンタカーは「納付期限内」が条件です。どうしても間に合わないなら、自己判断で放置せず借りた店舗へ先に連絡してください。
ほんの5分で、エンジンもかけたままでした。対象になりますか?
なります。警視庁は放置車両を「違法駐車と認められる場合における車両であって、運転者がその車両を離れて直ちに運転することができない状態にあるもの」と定義し、続けて「車両の停止時間の長短、車両から離れた距離の遠近、エンジンを止めているか否か、ハザードランプをつけているか否かということは関係ありません」と明記しています。ニッポンレンタカーとニコニコレンタカーも、違法駐車は短時間でも取締りの対象になると案内しています。なお運転者がその場にいてすぐ動かせた場合は放置ではなく駐停車違反として扱われ、普通車の反則金は10,000円または12,000円、点数は1点または2点になります。
出頭しなければ免許の点数は付かないのですか?
制度上、運転者の責任が追及されず使用者が放置違反金を納める形で終われば、運転者の免許に点数は付きません。ただしその場合、車検証上の使用者であるレンタカー会社が公安委員会から納付命令を受け、会社は契約にもとづいて25,000円または30,000円を請求します。支払わなければ全国レンタカー協会やその情報管理システムに登録され、加盟するレンタカー会社から以後の貸渡しを断られる場合があると4社とも明記しています。金額も今後の利用可否も不利になるため、点数を避ける手段として選べるものではありません。
レンタカー会社は違反を知らないまま返却できませんか?
車検証上の使用者は会社なので、警察からの連絡は会社に入ります。トヨタレンタカーは「※警察からトヨタレンタカーに連絡が入り次第、お客様へご連絡いたします」と明記しており、ニッポンレンタカーは貸渡時に「放置駐車違反発生時の連絡先として、携帯電話番号をお知らせください」と求めています。会社側は最初から連絡ルートを用意しているため、黙って返却しても後から判明します。判明した時点で違約金の請求に進むので、先に申し出るほうが手続きは軽く済みます。
レッカー移動された場合の費用はどうなりますか?
移動・保管・引取りにかかる費用は利用者の負担になるのが一般的で、レンタカーの貸渡約款にも、違法駐車をしたときは借受人または運転者が自らの責任と負担で反則金等および違法駐車に伴うレッカー移動・保管・引取り等の諸費用を納付する旨が定められています。これは反則金や会社の違約金とは別の費用です。保管場所や引取り方法は管轄の警察署が案内するので、標章が貼られていたはずの場所に車が見当たらない場合は、まず管轄警察署へ問い合わせてください。具体的な負担範囲は契約した会社の貸渡約款で確認するのが確実です。
まとめ|出頭が最も安く済む道筋
レンタカーで駐車違反をしたときのお金は3層あります。運転者が納める反則金、使用者が納める放置違反金、そしてレンタカー会社が定める違約金です。
反則金と放置違反金は同額で、警視庁の一覧では普通車の放置駐車違反が駐停車禁止場所等で18,000円、駐車禁止場所等で15,000円。点数は順に3点と2点です。軽自動車もこの区分では普通車に含まれます。
会社の違約金は、違反の重さではなく書類が出るかどうかで発生します。額はニッポンレンタカーとトヨタレンタカーとニコニコレンタカーが普通車25,000円、タイムズカーレンタルが一律30,000円。いずれも後日に納付して書類を提示すれば返金される規定ですが、タイムズカーレンタルは「放置違反金相当額」で振込手数料が客負担、ニコニコレンタカーは納付期限内という条件が付きます。
つまり手続きを先に終えるだけで、7,000円から15,000円の差額が発生しません。出頭と納付を返却前に済ませ、交通反則告知書と領収印のある納付書・領収証書等の2点を持って店舗に戻る、というのが最も安く済む道筋でした。
「少しの時間だった」という言い分は通りません。警視庁は放置車両の判断に停止時間の長短・距離の遠近・エンジンの有無・ハザードの有無は関係ないと明記しています。令和5年中の標章取付件数は78万829件で、約1,900人の駐車監視員が全国で活動しています。
放置した場合は、会社が使用者として納付命令を受けます。弁明が認められるのは事実誤認・使用者でなかった・不可抗力の3つで、「借りた人がやった」は理由に入りません。会社側は協会やその情報管理システムへ登録する措置を示していて、加盟するレンタカー会社から以後の貸渡しを断られる可能性があります。
必要なときだけ車を使えるという身軽さを失うのは、数千円の差額よりずっと大きな損です。借りる選択を続けたいなら、標章を見つけた時点で金額を調べるより先に警察署へ向かうのが合理的ということになります。
反則金額・点数・各社の規定はいずれも改定されます。本記事の数値は警視庁・警察庁と各社が公開している内容をもとにした目安として扱い、正確な情報は公式サイトをご確認ください。自分のケースの扱いについては、最終判断を管轄の警察署および契約したレンタカー会社へ直接確認してください。
黄色い標章を見つけたら、順番は「店舗へ連絡」→「標章記載の警察署へ出頭」→「反則金を納付」→「2種類の書類を持って返却」です。この順で動けば、支払いは反則金だけで終わります。
違約金の額や返金の条件は会社ごとに決められているので、借りる前に各社の条件を並べて見ておくと判断しやすくなります。