登山用品レンタル完全ガイド!富士山デビューも手ぶらでOK
こんにちは。UNOWNED でレンタル・サブスクを調べているいつきです。
「今年こそ富士山に登ってみよう」と思い立って装備を調べ始めると、たいてい最初の壁にぶつかります。登山靴、レインウェア、ザック、防寒着、ヘッドライト。ひとつずつ値段を見ていくと、登る前に10万円近く飛んでいく計算になるからです。
年に何度も山へ行く予定があるなら、その投資は回収できます。けれど「まずは1回登ってみたい」という段階で数万円の登山靴を買うのは、判断としてはかなり重いですよね。しかも一度きりで終わった場合、その靴は押し入れで加水分解が進むのを待つだけになります。
そこで選択肢になるのが登山用品のレンタルです。この記事では、何が借りられて何が借りられないのか、富士登山セットの実際の料金帯、購入と比べた損益分岐点、そしてサービス選びで見るべき条件を順番に整理します。数字を並べて、自分の登る回数で判断できる形にしていきますね。
- 登山用品レンタルで揃うものと自分で用意するもの
- 富士登山セットの料金帯と、購入した場合との総額比較
- 年に何回登るなら買ったほうが安くなるのかの分岐点
- サービス選びで見る条件と、借りる前の段取り
登山用品はレンタルで本当に揃うのか
結論から言えば、富士山を含む一般的な夏山登山に必要な装備は、レンタルでほぼ揃います。ただし「ほぼ」と書いたのは、どうしても自前が必要なものが残るからです。
レンタルサービスが扱っているのは、高価で、使用頻度が低く、サイズが数種類で足りるものに限られます。逆に言えば、肌に直接触れるものやサイズが細かく分かれるものは自分で用意することになるわけですね。もうひとつ押さえておきたいのが富士山特有の事情です。2026年度(令和8年度)については、山梨県側の吉田ルートで1人1回4,000円の通行料が設定され、静岡県側の須走・御殿場・富士宮の各ルートでも入山料の仕組みが導入されています。装備が揃っていないと通れない、というルールもあります。
この章では、借りられるものと自分で用意するものの線引きと、富士山で装備3点がないと通れないという条件を確認します。
借りられるものと自分で用意するもの

レンタルサービスが扱っているのは、高価で、使用頻度が低く、サイズが数種類で足りるものです。登山靴、レインウェアの上下、ザック、防寒着(フリースやダウン)、レインスパッツ、ストック、ヘッドライト、手袋あたりが代表格ですね。富士登山用のセットなら、この範囲は基本的に含まれます。
一方で、自分で用意する必要があるのが、肌に直接触れるものと消耗品です。下着、靴下、Tシャツなどのインナー類は衛生上レンタルの対象外になっているのが一般的で、日焼け止め、行動食、飲み物、常備薬、健康保険証なども当然ながら自前になります。
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| 装備 | レンタルの扱い | 備考 |
|---|---|---|
| 登山靴 | 借りられる | サイズ合わせが最重要。厚手の靴下とセットで試す |
| レインウェア上下 | 借りられる | 富士山では上下セパレート型が求められる |
| ザック | 借りられる | 日帰りか山小屋泊かで容量が変わる |
| 防寒着(フリース・ダウン) | 借りられる | 夏でも山頂は冷える前提で選ぶ |
| ヘッドライト・ストック | 借りられる | セットに含まれるかは社ごとに違う |
| レインスパッツ・手袋 | 借りられる | 単品追加の対象になりやすい |
| 下着・靴下・インナー | 自分で用意 | 衛生上レンタル対象外が一般的 |
| 行動食・飲み物・日焼け止め | 自分で用意 | 消耗品は当然ながら自前 |
| 常備薬・保険証 | 自分で用意 | 山小屋泊なら現金も忘れずに |
意外と見落とされがちなのが靴下です。登山用の厚手の靴下は、レンタルの登山靴とサイズ感を合わせるうえで重要な役割を持っています。普段の薄い靴下で借りた靴を履くと、中で足が動いて靴擦れの原因になります。靴を借りるなら、登山用の靴下だけは自分で買っておくと考えておくと安全ですね。
ちなみに、キャンプ道具のレンタルとは扱いが少し違います。テントや寝袋を含めた構成を探している場合は、登山用品専門ではなくキャンプ用品のレンタルサービスのほうが選択肢が広くなります。用途が分かれるので、借りる先も分けて考えるのが実際的です。
富士山は装備3点がないと通れない
ここは「あったほうがいい」ではなく「ないと登れない」という話なので、先に押さえておきます。
富士山では近年、登山道の通行に関するルールが年々整備されてきました。2026年度(令和8年度)については、山梨県側の吉田ルートで1人1回4,000円の通行料が設定され、静岡県側の須走・御殿場・富士宮の各ルートでも入山料の仕組みが導入されています。あわせて、ゲートを通過するには防寒着、上下がセパレートになったレインウェア、登山に適した靴の3点を携行していることが条件とされています(出典:山梨県「令和8年度の富士登山について」)。
この3点は、まさにレンタルの得意分野と重なります。逆に言えば、普段着のウインドブレーカーとスニーカーで行っても、ゲートで止められる可能性があるということです。普段着でも歩けるだろうという発想が通用しない仕組みになった、と理解しておいてください。
3点の中身も少し具体的に見ておきます。まずレインウェアは、上下が分かれているセパレート型が条件です。ポンチョや上だけのウインドブレーカーでは要件を満たしません。富士山は森林限界より上で風を遮るものがなく、下半身が濡れると体温が急速に奪われるためですね。
防寒着は、夏でも山頂付近の気温が平地とは大きく異なることが前提になっています。フリースや薄手のダウンなど、重ね着で調整できるものが基本です。靴については、足首まで覆うタイプで、滑りにくいソールを持つ登山向けのものが求められます。下山時の砂走りや岩場でスニーカーだと足首をひねりやすいので、ここは要件というより単純に危険を避けるための条件だと考えてください。
吉田ルートではさらに、山小屋の宿泊予約がない場合は午後2時から翌午前3時までゲートが閉鎖され、1日の登山者が4,000人に達した時点でも閉鎖されるという運用が示されています。弾丸登山を抑える設計ですね。
規制の内容は年度ごとに見直されます。装備を手配する前に、必ず富士登山オフィシャルサイト(環境省・山梨県・静岡県)でその年の条件を確認してください。ここに書いた数字も、あくまで2026年度時点のものです。
入山料や通行ルールは、開山期間の直前に確定・変更されることがあります。レンタルの予約は装備が届く日を逆算して早めに動く必要がある一方、規制の確認は直前にもう一度行うのが安全です。予約は早く、規制の確認は直前にもう一度。この二段構えで動いてください。
購入と比べて総額でどちらが得か
UNOWNEDとしては、ここが記事のいちばん大事な部分です。レンタルを勧めるためではなく、どこで買ったほうが安くなるのかを先に示すために計算します。一式6万円・レンタル1回1万5,000円が目安です。
登山用品を新品で揃える場合、初心者向けの構成でおおむね5万〜8万円という数字がよく挙がります。これを一式6万円と置き、レンタルを1回1万5,000円とすると、4回登れば購入と並ぶ計算になりますね。つまり「毎年富士山に登る」という人なら、4年目からは買ったほうが安い。逆に一生に一度の富士登山なら、レンタルが圧倒的に軽い。年に何回登るかという一点で、答えが完全に逆転する構造です。
この章では、一式の購入費が5万〜8万円である根拠と、年に何回登るかで損得が逆転する分岐点を確認します。
一式の購入費は5万〜8万円が目安
登山用品を新品で揃える場合、初心者向けの構成でおおむね5万〜8万円という数字がよく挙がります。内訳の目安は、登山靴が1万5,000円〜3万円、レインウェアが2万〜4万円、ザックが1万〜2万円といったところですね。ここに防寒着やヘッドライト、ストックが加わります。
金額に幅があるのは、素材とブランドの差です。日帰りの低山であれば5万円以内でも十分に信頼できる構成が組めますが、富士山のように標高差があって天候が変わりやすい山になると、レインウェアの防水透湿性能や防寒着の保温力に予算を寄せる必要が出てきます。
ここで押さえておきたいのは、登山用品は買って終わりではなく、寿命がある消耗品だという点です。登山靴のソールを接着しているウレタン素材は、使っていなくても経年で加水分解が進みます。数年に一度は買い替えや張り替えが必要になる、というのが購入側の隠れたコストですね。レインウェアの防水機能も、使用と洗濯を重ねるうちに低下していきます。
もうひとつ、購入とレンタルの中間にある選択肢にも触れておきます。中古や型落ちを狙う方法ですね。登山用品はモデルチェンジのサイクルがあるため、前年モデルがアウトレットで安くなることがあります。ザックや防寒着のように性能の劣化が緩やかな装備なら、この買い方は合理的です。
ただし登山靴とレインウェアで中古を選ぶのはおすすめしません。靴のソールは製造からの経過年数で劣化が進むため、見た目がきれいでも登山中に剥離する可能性があります。レインウェアも、前の持ち主がどう洗濯し、どう保管したかで防水性能がまったく変わります。命に関わる2点だけは、新品を買うか借りるかの二択で考えてください。
年に何回登るかで損得が逆転する

では、何回登るなら買ったほうが安いのか。式で確かめてみましょう。
購入費を一式6万円、レンタルを1回1万5,000円と仮に置きます。登る回数をn回とすると、レンタルの総額は「15,000×n」、購入は「60,000」です。この2つが等しくなるのは「15,000n=60,000」を解いてn=4回。単純に見れば、4回目からは購入が有利になる計算になります。
ただしこの式には、購入側の維持費が入っていません。仮に登山靴とレインウェアの寿命を5年とし、5年後に3万円の買い替えが必要だとすると、5年で10回登る人の購入総額は「60,000+30,000=90,000円」、1回あたり9,000円です。同じ10回をレンタルで通せば15万円ですから、この頻度なら購入が明確に有利ですね。
逆に、5年で2回しか登らない人は、購入なら1回あたり3万円、レンタルなら1万5,000円。回数が少ないほどレンタルが有利になり、その差は「買ったのに使わなかった」場合ほど開いていきます。
分岐点は「3〜4回」と覚えておくと実用的です。そのうえでおすすめしたいのが、1回目はレンタルで通して、2回目に登る気になったら靴だけ買うという段階的な進め方ですね。登山靴は最も体に合うかどうかが効く道具なので、一度借りて自分のサイズ感を掴んでから買うと失敗が減りますよ。
持つか借りるかの判断軸そのものをもう少し広く知りたい方は、使用頻度と保管コストで持たない暮らしを判断する共通の考え方をまとめた記事が参考になります。品目が変わっても、見るべき軸は同じです。
富士登山セットの料金と中身を見る
実際にいくら払うことになるのか、公開されている料金体系から相場感を掴んでおきましょう。1泊2日の基本セットが1万2,000円〜1万8,000円前後、2泊3日で1万5,000円台〜2万6,000円程度という帯です。
泊数で料金が変わるのは、山小屋に泊まるかどうかで日程が変わるからですね。弾丸登山なら1泊2日、山小屋を使う一般的な行程なら2泊3日という選び方になります。セットと単品の関係も知っておきたいところで、多くのサービスではセットで借りるほうが1点あたりの単価は下がります。すでに登山靴やザックを持っているなら単品で足す形もありますが、3点以上借りるならセットのほうが安く収まることが多いです。
この章では、1泊2日と2泊3日で変わる料金帯と、セットと単品はどちらが安いのかを確認します(以下の数字は各社が公表している料金をもとにした目安で、時期やセット内容によって変わります)。
1泊2日と2泊3日で変わる料金帯
富士登山向けのセットは、レンタル日数によって価格が段階的に上がる設定になっています。多くのサービスで、1泊2日の基本セットが1万2,000円〜1万8,000円前後、2泊3日で1万5,000円台〜2万6,000円程度という帯で案内されています。ブランド品を7点まとめたセットで1泊2日1万4,250円(税込)といった具体的な価格を出しているサービスもありますね。
同じセットでも価格差が出るのは、含まれる点数とブランドの違いによるものです。安いセットは点数を絞り、高いセットは有名ブランドのウェアや、より軽量なザックを組み込んでいます。点数と銘柄を確認せずに金額だけで選ぶと、必要な装備が足りないまま当日を迎えることになるので、セット内容の一覧は必ず開いて数えてください。
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| 比較する軸 | 富士登山セットを借りる | 一式を新品で購入する |
|---|---|---|
| 1回あたりの費用 | おおむね1万2,000〜2万6,000円(日数・内容による) | 初回に5万〜8万円 |
| サイズ合わせ | 事前配送で試着でき、交換に対応する社もある | 店頭で実際に履いて選べる |
| 使用後の手入れ | 洗わずそのまま返却できる社が多い | 洗濯・乾燥・防水処理を自分で行う |
| 保管 | 不要 | 収納場所が必要(靴・ザックはかさばる) |
| 経年劣化 | 負担しない | ソールの加水分解・防水性の低下が進む |
| 向いている頻度 | 年1〜2回程度 | 年3〜4回以上 |
この表で見てほしいのは費用の行だけではありません。手入れと保管と経年劣化という3行が、購入側だけに発生しているという点です。金額に現れにくいこの負担を勘定に入れるかどうかで、判断は変わってきます。
セットと単品はどちらが安いか
多くのサービスでは、セットで借りるほうが1点あたりの単価は下がります。「登山靴だけ」「レインウェアだけ」と単品で借りることもできますが、3点以上を借りるならセットのほうが安く収まる場合が多いですね。
そのうえで、単品レンタルが向いている場面もあります。すでに靴とザックは持っていて、レインウェアだけ買い替え時期を迎えているといったケースですね。買う前に一度、別のブランドを試してみるという使い方もできます。
単品で借りる場合の料金は、装備ごとに幅があります。登山靴やレインウェアのような主力装備は1点あたり数千円の帯、ヘッドライトやストックのような小物は千円台から用意されているのが一般的です。3点借りると、セットの下限に近い金額になることも珍しくありません。
ここで比べるべきは、単品の合計とセット料金の差額だけではありません。セットには入っているが自分には不要なものが混ざる場合、その分は無駄になります。逆に、単品で選ぶと組み合わせの抜けが出やすくなります。「セットの中で使わない装備が2点以上あるか」を目安に、超えるなら単品、超えないならセット、と決めると迷いません。
判断の順番としては、まず手持ちの装備を書き出して、足りないものだけを数える。3点以上足りないならセット、2点以下なら単品を比べる。この手順で見積もると、無駄な重複を避けられますよ。
サービス選びで見る4つの条件
料金がほぼ横並びのとき、差がつくのは条件のほうです。見るべきは①往復送料が無料になる条件 ②受取方法 ③返却方法 ④商品の到着日とサイズ交換の可否の4つ。どれも総額か当日の安心感に直結します。
この4つに加えて、破損時の負担がどうなるかも確認しておきたいところです。補償の仕組みを別料金のオプションで用意している社もあれば、通常の使用範囲であれば追加負担なしとしている社もあります。「どこまでが通常の使用か」の線引きは規約に書かれているので、申し込み画面を進める前に読んでおくと安心ですね。
比較するときは、セット料金だけを横に並べても差が出ません。「セット料金+往復送料-割引」で1社ずつ計算し直してください。送料無料の条件が1万円以上なら、9,800円のセットは実質的に9,800円ではなくなります。この一手間で、見かけの最安と実際の最安が入れ替わることがあります。
送料・受取方法・返却方法の違い
宅配型のレンタルでは、往復の送料が総額に効いてきます。一定額以上のレンタルで往復送料が無料になる設定を持つサービスがあり、たとえば1万円以上の利用で送料と返送料が無料になるという案内が見られます。セットで借りるなら、この条件はたいてい満たせますね。
受取と返却の方法も選択肢があります。自宅への配送だけでなく、現地の店舗で受け取って返す方法を用意しているサービスもあり、店舗受取と店舗返却にすると割引が適用されるケースもあります。荷物を持って移動する手間が減るぶん、遠方から向かう人には相性が良い方式です。
返却のしやすさも見ておきたいところです。着払いの伝票が同梱されていて、乾燥も洗濯もせずに汚れたまま宅配便の窓口へ持ち込めばよい、という運用にしているサービスがあります。下山後の疲れた状態で洗濯を求められないのは、地味ながら大きな差になりますよ。
サイズ交換とサポートの手厚さ
登山靴のサイズが合わないことは、実際に起こります。ここでサービスの差が最も出ます。
利用日の3日前に商品を届け、サイズが合わなかった場合に追加の送料や手数料なしで交換に応じるという運用を明示しているサービスがあります。届いてすぐ試して、合わなければ連絡して交換する。この余裕が確保されているかどうかが、初めて借りる人にとっては料金以上に重要です。
逆に、前日到着の設定だとサイズが合わなかったときの打ち手がほとんどありません。初回のレンタルなら、到着日が早いサービスを選ぶのが安全側の判断になります。
ここまでの条件を実際のサービスでどう確認するかは、個別の口コミや料金体系を見るのが早いです。富士山セットの料金や手ぶら割の条件については、やまどうぐレンタル屋の口コミと富士山セットの料金を実際の条件から整理した記事で具体的に確かめられます。
富士登山用のセットを実際に押さえるなら、開山期間は在庫が動きやすいので、公式サイトで日程と在庫を早めに確認しておくと安心です。
借りる前に決めておきたい段取り
レンタルは「申し込めば終わり」ではなく、日程の逆算がそのまま成否を決めます。順番に決めていきましょう。
最初に決めるのは登る日です。富士山の場合は開山期間が限られていて、ルートごとに開山日も異なります。山小屋に泊まるかどうかもここで決まります。山小屋の予約は早い時期に埋まるため、装備より先に押さえるのが基本ですね。
山小屋に泊まるかどうかは、借りる装備の中身にも影響します。日帰りの弾丸で登るのと、山小屋で仮眠を取ってから山頂を目指すのとでは、必要なザックの容量も防寒着の厚みも変わるからです。加えて吉田ルートでは、山小屋の予約がないと午後2時以降にゲートを通れない運用が示されています。宿を取るかどうかは、装備の前に決まっていなければならない項目だと考えてください。
次に、レンタル期間を決めます。登山日の前後に移動日が入るので、「登る日の何日前に届いて、何日後に返すのか」を日付で書き出してください。多くのサービスが日数単位の料金体系を取っているため、ここが1日ずれると料金帯が変わります。
3つ目に、手持ちの装備を棚卸しします。押し入れやクローゼットを実際に開けて、使えるものと使えないものを分けてください。数年前に買ったレインウェアが撥水しなくなっている、というのはよくある話です。「持っているつもり」で数えると、当日に足りないものが出ます。
4つ目が申し込みです。到着日が3日前になるサービスなら、そこから逆算して予約の締切を確認します。繁忙期は在庫が動くので、日程が固まった時点で押さえてしまうのが確実ですね。
最後に、届いた当日に必ず全点をチェックします。ここは次の章で詳しく見ていきます。
なお、この段取りは富士山に限った話ではありません。北アルプスの山小屋泊や、屋久島の縦走のように、装備の要求水準が高い山ほどレンタルの出番があります。逆に高尾山のような日帰りの低山であれば、歩きやすい靴とレインウェアさえあれば足りるので、フルセットを借りる必要はありません。
つまりレンタルの価値は、その山が要求する装備水準と、自分が持っている装備の差分で決まります。差分が大きい山に年1回だけ行くというのが、レンタルの最も効く場面ですね。同じ人でも、行く山によって借りるか買うかの答えは変わります。
段取りの優先順位は「登る日 → 山小屋 → レンタル期間 → 手持ちの棚卸し → 申し込み」です。この順番を守れば、日程が動いたときにどこを直せばよいかが分かります。逆にレンタルを先に押さえてしまうと、山小屋が取れなかったときに全部やり直しになりますよ。
失敗しやすい点と先回りの対策

最後に、レンタル特有のつまずきどころをまとめておきます。どれも事前に手を打てるものばかりです。
もっとも多いのがサイズの不一致です。届いたその日に、登山用の靴下を履いた状態で登山靴を試してください。つま先に少し余裕があり、かかとが浮かないかを確認します。合わなければすぐ電話で連絡を。多くのサービスが在庫を確認して翌日配送で交換に応じますが、在庫状況によっては対応できない場合もあるため、連絡は早いほど有利です。
次にセット内容の思い込みです。「フルセット」という言葉の中身は社ごとに違います。ヘッドライトが入っているか、ストックは何本か、レインスパッツはあるか。開梱時に同梱の一覧と現物を突き合わせて、抜けがないかを数えてください。
3つ目が汚損・破損の扱いです。通常の使用でつく汚れは料金に含まれているのが一般的ですが、破損や紛失については別途負担が生じる規約になっているのが普通です。補償の仕組みや免責の範囲はサービスごとに異なるので、申し込み前に規約を確認しておいてください。
4つ目が受取場所の設定ミスです。前泊するホテルへ送ってもらう場合、宿泊施設が荷物の事前受取に対応しているかを先に確認する必要があります。対応していない施設に送ってしまうと受け取れません。ホテル受取にするなら、予約時に宿へ一報を入れておくのが確実です。
5つ目が返却期限です。下山後にそのまま観光へ回る予定があると、返却が遅れて延長料金が発生することがあります。返却日を予定に組み込んでおきましょう。
なお、テントや寝袋を含めたキャンプ寄りの構成を探している場合は、登山用品専門とは別のサービス群になります。人数別のセット料金や送料の総額は、キャンプ用品レンタルを人数別のセット料金と送料の総額で比べた記事に早見表としてまとめてありますので、あわせて見比べてみてください。
料金・在庫・規約はいずれも時期によって変わります。この記事の数値はあくまで一般的な目安であり、正確な情報は各サービスの公式サイトをご確認ください。登山の可否や装備の適否についての最終判断は、実際のルート条件と天候をふまえて、山小屋やガイド、各自治体の案内へご確認をお願いします。
登山用品レンタルに関するよくある質問(FAQ)
レンタルの装備だけで富士山に登れますか?
登山靴、レインウェア、ザック、防寒着といった主要装備はレンタルで揃うため、装備面では対応できます。ただし下着や靴下などのインナー類、行動食、飲み物、日焼け止めなどは自分で用意する必要があります。とくに登山用の厚手の靴下は、借りた登山靴のサイズ感に直結するので必ず自前で準備してください。あわせて、その年の通行ルールと必要装備は富士登山オフィシャルサイトで確認しておきましょう。
何回登るなら買ったほうが安くなりますか?
一式の購入を6万円、レンタルを1回1万5,000円と置くと、4回目から購入が有利になる計算です。ただし登山靴のソールは使わなくても経年で劣化し、レインウェアの防水性も落ちていくため、数年に一度の買い替え費用を足すと分岐点は動きます。目安としては「年3〜4回以上登るなら購入」「年1〜2回ならレンタル」と考えると実態に近くなります。
登山靴のサイズが合わなかった場合はどうなりますか?
サービスによっては、追加の送料や手数料なしで交換に応じる運用をしています。利用日の3日前に商品を届ける設定にしているのは、この交換の時間を確保するためです。届いたらすぐに登山用の靴下を履いて試し、合わなければその場で連絡してください。ただし在庫の状況によっては希望のサイズを用意できない場合もあるため、連絡は早いほど選択肢が残ります。
返却する前に洗濯や乾燥は必要ですか?
多くのサービスでは、通常の使用でついた汚れはそのままで返却できる運用になっています。着払いの伝票が同梱されていて、宅配便の窓口へ持ち込むだけで済む形です。ただし破損や紛失は別扱いで、負担が生じる規約が一般的です。返却方法と汚損時の扱いはサービスごとに違うので、申し込み前に規約を確認しておいてください。
いつまでに予約すればよいですか?
到着日が利用日の3日前という設定のサービスが多いため、そこから逆算した締切があります。ただし富士山の開山期間は在庫が動きやすく、締切前でも希望のサイズが埋まることがあります。登る日と山小屋の予約が固まった時点で押さえてしまうのが確実です。順番としては、登る日を決める、山小屋を押さえる、レンタル期間を決める、手持ちを棚卸しする、申し込む、という流れになります。
まとめ|登山用品レンタルは回数と条件で選ぶ
登山用品レンタルについて、費用と条件の両面から整理してきました。要点をまとめます。
- 登山靴・レインウェア・ザック・防寒着といった主要装備はレンタルで揃い、インナー類と消耗品だけが自前になる
- 富士山ではゲート通過に防寒着・上下セパレートのレインウェア・登山に適した靴の3点が求められ、2026年度は入山料の仕組みも導入されている
- 一式の購入費は5万〜8万円が目安で、1回1万5,000円のレンタルと比べると4回目あたりが単純な分岐点
- 購入側には手入れ・保管・経年劣化という金額に出にくい負担が続くため、年1〜2回ならレンタルが合理的
- 富士登山セットは1泊2日で1万2,000〜1万8,000円前後、2泊3日で1万5,000円台〜2万6,000円程度が相場感
- サービス選びでは送料の無料条件、受取・返却の方法、到着日の早さ、サイズ交換の可否を見る
- 段取りは「登る日 → 山小屋 → レンタル期間 → 手持ちの棚卸し → 申し込み」の順で決めると崩れにくい
登山は、道具を揃えることが目的ではありません。まず一度登ってみて、続けたいと思ったときに自分の道具を選ぶ。その順番でも、まったく遅くないですよ。あなたの最初の一歩が、良い天気に恵まれますように。