レンタカーの運転者登録!家族や友人と交代運転する条件
こんにちは。UNOWNED でレンタル・サブスクを調べているいつきです。
長距離のドライブを家族や友人と交代で運転する。ごく普通のことに思えますが、レンタカーではここに手続きが1つ挟まります。運転者登録です。
「同乗している人が途中で代わるだけなのに、わざわざ登録が要るの?」と感じるかもしれません。ただ、この登録を飛ばしたまま運転してもらうと、事故のときに補償が一切効かなくなります。レンタカー会社の貸渡約款には、登録していない人に運転させることが禁止行為として書かれていて、約款に違反した場合は保険金も補償金も支払われないと明記されているためです。
この記事では、運転者登録が必要な理由を約款の条文から確かめたうえで、手続きの中身、料金、免許証の扱い、そして2025年から始まったマイナ免許証への対応まで整理しました。
- レンタカーで運転できる人がどこまでの範囲か
- 登録していない人が運転したときに何が起きるか
- 運転者を登録する手順と必要なもの・料金の目安
- 又貸しと判断される線引きと避け方
レンタカーは登録した人しか運転できない
まず前提を押さえておきます。レンタカーを運転できるのは、契約のときに運転者として届け出た人だけです。契約者本人が乗っているかどうかは関係なく、届け出ていない人はハンドルを握れません。
これは各社が独自に決めているルールではなく、レンタカー事業の許可条件に紐づいた仕組みです。だから会社を変えても基本の考え方は変わりません。変わるのは提示物や料金といった運用の部分だけです。
背景にあるのは、車の名義がレンタカー会社にあるという事実です。駐車違反の放置違反金も、事故の照会も、まず車の使用者であるレンタカー会社に届きます。会社としては「その時間、誰が運転していたか」を記録から答えられる必要がある。だから借りる側にも、運転者を届け出る義務が課されているわけですね。
貸渡証に名前がある人だけが運転者
レンタカーを借りると、貸渡証という書類を受け取ります。ここに運転者の氏名が記載され、会社側は貸渡簿にも同じ内容を残します。この記録が、誰が運転してよいかの唯一の根拠になります。
ニッポンレンタカーの貸渡約款では、第8条第3項でこの手続きの根拠がはっきり書かれています。貸渡簿と貸渡証に運転者の氏名・住所・運転免許の種類・運転免許証の番号を記載するため、契約のときに運転者の運転免許証の提示を求める、という内容です。そして、その根拠として国土交通省自動車局長通達「レンタカーに関する基本通達」が注記されています。
同じ条文には、こうも書かれています。借受人が自分で運転するなら自分の免許証を提示し、借受人と運転者が異なるときはその運転者の運転免許証を提示する、と。つまり「契約するのは私、運転するのは夫」という形でも、夫の免許証が必要になるわけですね。
この仕組みは、レンタカー会社が誰に車を貸したかを行政に対して説明できるようにするためのものです。事故や違反があったときに、車の使用者であるレンタカー会社まで話が及ぶので、記録が要るという理屈になります。
貸渡証は、受付で渡される控えのことです。車内のダッシュボードに入れておくよう案内されることが多く、返却まで持っておく書類にあたります。ここに記載されるのは、借受期間・車両・料金といった契約の中身に加えて、運転者の情報です。約款の条文どおりなら、氏名・住所・免許の種類・免許証番号が並びます。つまり、貸渡証を見れば自分たちが登録されているかどうかがその場で分かるということです。
未登録の運転は約款で禁止されている
登録していない人に運転させることは、約款で明確に禁止されています。ニッポンレンタカーの貸渡約款 第17条(禁止行為)には、使用中にしてはならない行為が並んでいて、その2番目にこうあります。
「レンタカーを所定の用途以外に使用し又は第8条第3項の貸渡証に記載された運転者及び当社の承諾を得た者以外の者に運転させること」(ニッポンレンタカー 貸渡約款 第17条第2号)
読み下すと、貸渡証に名前が載っている人と、会社が個別に承諾した人。この2つ以外は運転させてはいけない、という決まりです。「少しだけ」「駐車場で動かすだけ」といった例外は書かれていません。
ここで大事なのは、これが借受人側の義務として書かれている点です。同じ約款の第1条には、借受人と異なる運転者を指定した場合、その運転者に約款の運転者に関する部分を周知して守らせる、という趣旨の定めもあります。交代運転を頼む側にも、ルールを伝える責任があるということですね。
未登録の人が運転して事故を起こすと
結論を先に置くと、登録していない人が運転して事故を起こせば、レンタカー料金に含まれる補償は受けられず、損害は借受人か運転者が全額負担する形になります。さらに、契約そのものを解除されるおそれもあります。
ニッポンレンタカーの貸渡約款で見ると、登録外の人に運転させることは第17条第2号で禁じられた行為で、違反があれば第31条第3項によって保険や補償の支払いが受けられなくなります。第32条では、違反があれば事前の知らせなしに契約を解除し、すぐに車を返すよう求められるとされています。補償が働けば免責金額とNOCの範囲で収まるはずの事故でも、修理費がまるごと請求の対象になり、負担が百万円を超えることもあります。
この章では、補償の限度額を表で確かめたうえで、約款違反がその土台をどう外すのかを条文の順に追います。続いて、契約の解除や休車中の損害の請求まで、補償以外に広がる影響を整理します。
約款違反だと補償が支払われない

レンタカー料金には、対人・対物・車両・人身傷害の補償が含まれています。ニッポンレンタカーの貸渡約款 第31条第1項に、その限度額が具体的に書かれています。
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| 補償の種類 | 限度額 | 免責金額 |
|---|---|---|
| 対人補償 | 無制限(自賠責保険を含む) | — |
| 対物補償 | 1事故 3,000万円 | 5万円 |
| 車両補償 | 1事故 時価額 | 5万円(プレミアムクラス・大型トラック・マイクロバスは10万円) |
| 人身傷害補償 | 1事故 3,000万円×定員/1名 3,000万円 | — |
この手厚さがあるからこそ、レンタカーは安心して借りられます。ところが同じ第31条には、続けてこう書かれています。
「貸渡約款に違反した場合には、第1項に定める保険金又は補償金は支払われません」(第31条第3項)/「保険金又は補償金が支払われない損害…については、借受人又は運転者の負担とします」(第31条第4項)
未登録の人に運転させることは、先に見た第17条第2号の禁止行為にあたります。つまり約款違反です。すると第31条第3項が働いて、上の表にある補償がまるごと使えなくなる。第4項で、支払われない損害は借受人か運転者の負担になると定められています。
金額のイメージを持っておきましょう。対物で3,000万円の限度がある補償が外れるということは、たとえば店舗の外壁や信号機を壊したときの修理費を、そのまま請求されるということです。車両補償が外れれば、レンタカーそのものの修理費や時価額も自分たちで払うことになります。免責補償に加入していても、そもそも補償の土台が外れているので意味を持ちません。
数字で置いてみます。仮に、コンパクトカーで交差点の出会い頭に接触し、相手の車の修理費が80万円、レンタカー側の修理費が60万円かかったとしましょう。登録した運転者が運転していれば、対物補償と車両補償が働き、負担は免責金額の5万円ずつ=10万円と、休車に対するNOCくらいで収まります。ところが未登録の人が運転していた場合、80万円と60万円がそのまま請求の対象になります。自己負担が10万円台で済むか、140万円台に膨らむか。登録という数分の手続きを飛ばしたかどうかだけで、ここまで開くわけですね。
もちろん実際の負担は事故の内容や過失割合で変わりますし、相手方の車両保険が使われることもあります。ただ、補償という土台が外れると、金額の上限が消えるという構造は変わりません。
補償の中身そのものについては免責補償とNOCの違いを自己負担の内訳から整理した記事で扱っています。ここで押さえたいのは、その補償が「登録した人が運転している間だけ有効」だという点です。
契約を解除され損害も請求される

影響は補償だけにとどまりません。同じ約款の第32条には、借受人または運転者が使用中に約款に違反したときは、通知も催告もなしに貸渡契約を解除し、直ちに車の返還を請求できる、という定めがあります。そのうえで、借受人は会社に生じた損害を支払うとも書かれています。
実務的には、旅先で車を引き上げられる可能性があるということです。事故の処理をしながら移動手段も失う。想像するとなかなか厳しい状況ですよね。
しかも第32条の解除は「何らの通知、催告を要せずに」と書かれています。事前に警告があってから、という段取りではありません。約款違反が確認された時点で解除できる建て付けです。返金についても、貸渡しから解除までの期間に対応する料金を差し引いた残額が戻るだけなので、前払いした日数分が丸ごと返ってくるわけでもありません。
さらに、事故を起こしたレンタカーが修理で使えない間の損害についても、料金表の定めに従って賠償か営業補償を求められます(第30条第2項)。これはノンオペレーションチャージ、いわゆるNOCとして知られているものです。事故時に何をいくら負担するかは擦ったときの費用と自己負担の内訳をまとめた記事で計算しています。
ここまでの条文はニッポンレンタカーの貸渡約款から引きました(出典:ニッポンレンタカー 貸渡約款)。他社の約款も同じ構成で、禁止行為と補償不適用がセットになっているのが一般的です。借りる会社が決まったら、その会社の約款で同じ条文を確認してみてください。
運転者を登録する手順と必要なもの
登録の手順はシンプルで、運転するかもしれない人がそろって店頭の受付に出向き、貸渡手続きの中で名前を載せてもらうのが基本です。予約サイトに運転者の入力欄を用意している会社もありますが、登録が確定するのは店頭の手続きの時点で、予約で入れ忘れても受付で足せます。
それでも予約の段階で氏名などを入力しておけば、カウンターでの作業が本人確認中心になり、混み合う繁忙期ほど待ち時間の差が出ます。入力欄が見つかったら、手間でも先に埋めておくのがおすすめです。
この章では、受付で全員の名前が貸渡証に載るまでの段取りを確認し、追加運転者の免許証を見せる必要があるかどうかが会社で分かれる点を、ニッポンレンタカーとオリックスレンタカーの書き方で比べます。最後に、2025年3月24日に運用が始まったマイナ免許証で借りるときに要るものと注意点を扱います。
登録は貸渡手続きのときにまとめて
受付では、契約者が申込書に記入し、免許証を提示し、料金と補償の説明を受けます。追加の運転者がいる場合は、この流れの中に「もう1人分の確認」が挟まる形です。
ポイントは、追加運転者も「その場にいること」が前提になる会社が多い点です。免許証だけ預かって代理で登録する、という運用は基本的に想定されていません。免許証の写しを取ったり、本人確認をしたりする手続きがあるためです。集合場所を店舗にしておくと、この点で楽になります。
段取りとしてはこうなります。
- 運転する可能性のある人全員で受付カウンターへ行く
- 契約者が申込書と貸渡証の手続きをする
- 追加運転者の氏名を申告し、会社の指示に従って免許証を出す
- 貸渡証に全員の名前が載っていることを受け取り時に確認する
最後の確認は地味ですが、やっておく価値があります。口頭で伝えただけで書類に反映されていなければ、いざというとき「登録していなかった」ことになりかねません。受け取った貸渡証に自分たちの名前が並んでいるか、その場で目を通しておいてください。
受付から出発までの流れ全体は借り方を必要なものから返却まで通しで整理した記事にまとめてあります。運転者が増えるぶん、手続きの時間も少し延びると見ておくと安心です。
免許証の提示は会社で扱いが違う
ここが会社ごとに割れるところです。全員の免許証を見せる会社と、代表者だけで足りる会社があります。
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| 会社 | 追加運転者の免許証 | 公式の書き方 |
|---|---|---|
| ニッポンレンタカー | 提示または写しの提出を求められる | 約款第8条3項「借受人と運転者が異なるときはその運転者の運転免許証を提示し、又はその写しを提出する」 |
| オリックスレンタカー | 提示は不要・氏名の申告でよい | 公式FAQ「免許証の提示は不要となりますが、運転される方のお名前をフルネームにてご申告ください」 |
オリックスレンタカーは、追加運転者の免許証提示を求めない代わりに、公式FAQで「予約者(借受人)以外の方の運転免許証の有効性については、予約者(借受人)の方の責任においてご確認ください」と案内しています。確認の手間が会社から契約者へ移っているだけで、有効な免許を持っていない人が運転してよいわけではありません。
この差は、条文の書き方に幅があることから来ています。ニッポンレンタカーの第8条第3項は、免許証の提示を求めるほか、その写しの提出を求めることがある、という組み立てです。どこまで求めるかが会社の運用に委ねられているため、厳格に全員を確認する会社もあれば、契約者の申告を信頼する会社もある。ただし後者でも、登録そのものが不要になったわけではありません。氏名の申告=登録であり、申告していない人が運転すれば約款違反になる点は同じです。
免許証そのものの条件、たとえば取得からの年数や年齢の制限については年齢制限と免許条件を会社別に整理した記事にまとめています。追加運転者にも同じ条件が適用されるので、若い同行者がいるときは先に確認しておくとスムーズです。
迷ったら「全員ぶんの免許証を持っていく」で統一しておくのが確実です。提示不要な会社なら出さずに済むだけですし、必要な会社で持ってきていないと、その人は登録できません。財布に入れて持ち歩くものなので、荷物にもなりませんしね。
マイナ免許証は読み取りアプリが要る

2025年3月24日から、マイナンバーカードと運転免許証を一体化したマイナ免許証の運用が全国で始まりました。約款の側もこれに対応していて、ニッポンレンタカーの貸渡約款では、道路交通法第95条の2に規定される免許情報記録個人番号カードなどを運転免許証に準じるものとして扱う旨が注記されています。
ただし、店頭での手続きは従来の免許証とかなり違います。ニッポンレンタカーの案内によると、マイナ免許証だけを持っている場合は次のものが必要です。
- 利用者本人のマイナンバーカード
- 「マイナ免許証読み取りアプリ」を入れたスマートフォン
カウンターでの流れは、アプリを起動して暗証番号などを入力し、マイナンバーカードから運転免許情報を読み取り、表示された画面をスタッフが確認する、という3段階です。同社は従来の運転免許証に比べて手続きに時間がかかる場合がある旨も案内しています。免許情報の確認のために、スマートフォンを一時的に預かる場合がある旨も明記されています。
入力する項目も、財布から免許証を出すのとは比べものになりません。4桁の暗証番号に加えて、生年月日・有効期限・セキュリティーコードといった情報が要ります。暗証番号はマイナ免許証を登録したときに設定したもので、店頭で思い出せないと手続きが止まります。出発の前日にアプリを一度動かして、通るかどうか確かめておくのが現実的な備えになりますね。
注意したいのが、次の3点です。
- スクリーンショットなど「画像」の提示では貸し渡してもらえない
- 読み取れない場合はマイナポータルで免許情報を確認する運用になる
- 現金払いを希望する場合はマイナンバーカード以外の補助書類が必要になる
従来の運転免許証とマイナ免許証を両方持っている人は、従来の免許証を出すだけで済みます(出典:ニッポンレンタカー マイナ免許証でのレンタカーご利用に関するお知らせ)。
交代運転の観点で効いてくるのは、追加運転者がマイナ免許証だけの場合、その人のスマホにもアプリが要るという点です。集合してから気づくと出発が遅れます。声をかける段階で確認しておくのが無難ですね。なお現金払いを考えている場合の書類の条件はクレジットカードなしで借りるときの必要書類をまとめた記事で扱っています。
追加運転者の料金と登録できる人数
追加運転者の登録料は、国内なら無料で受け付けている会社が目立ちます。とはいえ、必ず無料とは限りません。格安系や地域の会社には1日ごとに追加料金がかかる例があり、何人まで登録できるかに上限を置く会社もあります。
比べるときは基本料金だけで判断せず、追加運転者の料金も足した総額で並べ、条件は予約の段階で確かめておくと当日の受付で慌てずに済みます。1日ごとに料金がかかる会社では、登録する人数と借りる日数を掛けた分が上乗せされるため、無料の会社との差は旅程が長いほど広がります。
この章では、料金表のどの項目を見れば有料か無料かを判別できるのか、人数の上限をどう確かめるかを整理します。あわせて、走り出してから交代したくなったときに営業所へ連絡して追加の手続きを取る流れと、無断で運転を代わらないための備えも確認します。
別料金なしの会社が多いという位置づけ
国内のレンタカーでは、追加運転者の登録に別料金を設けていない会社が多く見られます。料金表に「追加運転者」「セカンドドライバー」という項目が立っていなければ、無料で登録できる可能性が高いと考えてよいでしょう。海外のレンタカーでは1日あたりの追加ドライバー料金を取るのが一般的なので、その感覚でいると拍子抜けするかもしれません。
一方、格安系や地域のレンタカー会社では、1日あたり数百円から千円程度の追加料金を設定している例もあります。無料が当たり前と思い込まず、借りる会社の料金表で項目の有無を確かめてください。公式サイトの料金ページに載っていなければ、予約前に店舗へ一本聞くのが確実です。
登録できる人数に上限を設けている会社もあります。人数の目安を公表している会社は多くないので、大人数で交代しながら走る予定なら、予約の時点で「何人まで登録できますか」と聞いておくのが早いです。上限に当たってから当日に調整するのは、いちばん面倒な形になります。
いずれにしても、確認するのは予約前です。当日カウンターで「4人分お願いします」と言って初めて条件を知るより、料金表を見て組み立てておくほうが総額が読めます。仮に1日500円の追加料金がかかる会社で2人ぶん登録し、2泊3日で借りたとすると、500円×2人×3日で3,000円。基本料金にこれが乗ってくる計算になります。無料の会社と比べるなら、この差まで含めて総額で並べるのが筋ですね。
追加運転者の条件は、各社の料金ページを1つずつ開いて確かめることになります。たびらいレンタカー予約は大手レンタカー会社を横断して条件と価格を並べられるので、カーナビ・免責補償・ETC車載器込みの総額を見ながら会社を絞るときの出発点に使えます。
出発後に運転者を追加したいとき
出発してから「やっぱり交代したい」となる場面もあります。長距離で疲れた、体調が悪くなった、といったケースですね。
この場合、勝手に交代してはいけません。登録していない運転者になるので、これまで見てきた約款違反そのものになります。手順としては、借りた店舗か最寄りの営業所に連絡して、追加登録の手続きを取ることになります。会社によっては、その人が営業所に出向いて免許証を提示する必要があります。
現実的な対策は、出発前に「運転する可能性のある人」を広めに登録しておくことです。実際に運転しなくても登録しておくぶんには問題ありませんし、無料の会社なら費用も増えません。登録は保険のようなものと考えて、迷ったら入れておくのが安全側の選択になります。
結局のところ、出発前に人数と日程を固めてしまうのがいちばん確実です。じゃらんレンタカーは日時と人数から人気レンタカー会社を横断検索できるので、必要なクラスと会社をまとめて決めたうえで予約に進めます。
又貸しと契約者が同乗しない問題
結論として、契約者が車に乗っていないこと自体は約款上の問題になりません。問われるのは、借りた車を別の人に貸す形になったときで、その境目は貸渡証に運転者として名前が載っているかどうかで決まります。
約款が禁止行為として挙げているのは転貸で、相手が家族かどうかや、お金を受け取ったかどうかは線引きの基準ではありません。「身内だから平気だろう」と考えて登録していない人に鍵を預けると、最も危うい使い方に踏み込むことになります。
この章では、第17条で転貸がどう書かれているかを確かめたうえで、交代運転として問題のない使い方と、又貸しと受け取られうる使い方を具体例で分けます。宿で契約者が飲酒した後の短い移動や、1人の名義で複数台を借りて別行動するケースのように迷いやすい場面も取り上げ、最後によくある質問で要点を確認します。
転貸は禁止行為として明記される
ニッポンレンタカーの貸渡約款 第17条には、禁止行為の3番目としてこう書かれています。「レンタカーを転貸し、又は他に担保の用に供する等当社の権利を侵害することとなる一切の行為をすること」。
転貸、いわゆる又貸しです。借りた車をさらに別の人へ貸す行為を指します。お金を取らなくても、実質的に車を預けて自由に使わせれば同じ扱いになると考えたほうがいいでしょう。
ではどこまでが交代運転で、どこからが又貸しなのか。判断の軸はシンプルです。
交代運転として問題ないケース=貸渡証に運転者として登録されている人が、契約者と一緒の旅程の中で運転を代わる。契約者が同乗していなくても、その人が登録されていれば約款上の運転者です。
又貸しとみなされうるケース=登録していない人に鍵を渡して使わせる/借りた車を別の人の用事のために貸し出す/契約者と無関係な行程で使わせる。
たとえば、家族旅行で夫が契約し、途中から妻が運転する。妻が登録されていれば、夫が助手席で寝ていても問題ありません。逆に、登録していない友人に「明日ちょっと使っていいよ」と鍵を渡せば、これは禁止行為に該当します。
判断に迷いやすいのが、こんな場面でしょうか。宿に着いて契約者が飲酒し、登録していない同行者にコンビニまで運転してもらう。距離は数百メートルでも、登録していない人の運転であることに変わりはありません。同じ状況を避けるには、そもそも出発前に同行者を登録しておくか、タクシーを使うかの二択になります。
もうひとつは、代表者がまとめて契約して各自が別行動をするケースです。人数分の車を1人の名前で借り、それぞれ別の目的地へ走る。運転者として全員が登録されていれば形式上は満たしますが、契約者が関与しない行程で自由に使わせる形になれば、実質的な転貸と受け取られる余地が出てきます。人数分借りるなら、それぞれが契約者になるのが素直です。
もうひとつ知っておきたいのが、自分の任意保険との関係です。自動車保険には運転者を限定する特約があり、レンタカーを運転するときにもこの条件が効いてきます。誰の保険が誰の運転をカバーするのかは、自分の任意保険が使える条件を3制度の違いから整理した記事で詳しく扱いました。レンタカー会社の補償と自分の保険は別の話なので、両方を確認しておくと抜けがありません。
なお、無人・アプリ完結型のレンタカーでは免許証を事前に登録する仕組みになっていて、追加運転者の扱いも対面型とは違います。仕組みの違いはアプリ完結型と大手セルフ型を条件から比較した記事にまとめてあります。
レンタカーの運転者登録に関するよくある質問(FAQ)
契約者が同乗していれば、登録していない人も運転できますか?
できません。ニッポンレンタカーの貸渡約款 第17条第2号は、貸渡証に記載された運転者と会社の承諾を得た者以外に運転させることを禁止行為としています。契約者が同乗しているかどうかは条件に入っていません。運転する可能性がある人は、その場で登録してください。
追加運転者の登録にお金はかかりますか?
会社によります。国内のレンタカーでは別料金を設けていない会社が多く見られますが、格安系や地域の会社では1日あたり数百円から千円程度の追加料金を設定している例もあります。料金表に「追加運転者」「セカンドドライバー」の項目があるかどうかで判断できるので、予約前に確認してください。
追加運転者も免許証を持っていく必要がありますか?
会社によります。ニッポンレンタカーは約款で運転者の免許証の提示または写しの提出を求めるとしている一方、オリックスレンタカーは公式FAQで「免許証の提示は不要となりますが、運転される方のお名前をフルネームにてご申告ください」と案内しています。全員ぶん持参しておけば、どちらの会社でも困りません。
マイナ免許証だけでもレンタカーを借りられますか?
借りられますが、マイナンバーカードと「マイナ免許証読み取りアプリ」を入れたスマートフォンが必要になります。ニッポンレンタカーの案内では、店頭でアプリから免許情報を読み取って画面を提示する流れで、スクリーンショットなどの画像提示では貸し渡せないとされています。従来の免許証も持っている人は、そちらを出せば通常どおりです。
出発してから運転者を追加できますか?
その場で勝手に交代することはできません。借りた店舗か最寄りの営業所に連絡し、追加登録の手続きを取る必要があります。会社によっては本人が営業所へ出向いて免許証を提示することになります。手間を避けるなら、出発前に運転する可能性がある人を広めに登録しておくのが確実です。
まとめ|レンタカーの運転者登録で外せない点
整理しておきます。
- 運転できる範囲:貸渡証に名前が載っている人と、会社が承諾した人だけ
- 未登録の運転:ニッポンレンタカー貸渡約款 第17条第2号の禁止行為に該当
- そのときの補償:第31条第3項で保険金・補償金が支払われず、第4項で全額が自己負担
- 契約:第32条で通知なしに解除され、会社に生じた損害も請求されうる
- 手続き:貸渡手続きのときに全員で受付へ。貸渡証に名前が載ったか確認する
- 免許証:全員ぶんの提示を求める会社と、氏名の申告で足りる会社がある
- マイナ免許証:2025年3月24日運用開始。読み取りアプリが必要で画像提示は不可
- 料金:別料金を設けていない会社が多いが、格安系は有料の例もある
- 又貸し:第17条第3号で転貸は禁止。登録していない人に鍵を渡さない
行動としては、たった1つです。運転するかもしれない人を、出発前に全員登録しておく。無料の会社なら費用はゼロですし、有料でも1日数百円の世界です。対物3,000万円・車両時価額という補償が丸ごと外れるリスクと比べれば、判断に迷う額ではないと思います。
逆に言えば、登録さえしておけば交代運転はまったく問題ありません。契約者が寝ていても、途中で何度代わっても、貸渡証に名前があれば約款上の運転者です。長距離の運転を分担して安全に走るほうが、本来の目的にも合っていますよね。
なお、この記事で引用した条文はニッポンレンタカーの貸渡約款によるものです。約款や料金は会社ごとに異なり、改定されることもあります。実際に借りる際は、その会社の貸渡約款と料金表で最新の内容をご確認ください。事故や違反が絡む判断については、最終的にレンタカー会社と保険会社の指示に従ってください。